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NECKFACE


Interview by Yosuke ”CB” Ishii, Photo by Shizuo Ishii

昨年に続いてNECKFACEがWACKO MARIAのコレクションに来日、テンション上がりまくりの彼をチェック。
ガソリン缶を使ったオブジェなど新作がデンジャラス・・・・

●子供時代によくお化け屋敷を作っていたと聞きましたが?

Neckface(以下、N) : 僕が育った所はとてもつまらない寂びれた街で何もすることがなかったんだ。だけど今は何もすることがなかったという事実に感謝しているよ。外に出かける所もなかったし何もすることがなかった。だから家に籠っていつも絵を描いてたんだよ、一日中ね。
僕の記憶にあるのは兄貴が家の中にお化け屋敷を作ってたんだ。僕が物心がついた頃のハロウィンは毎年家の中にお化け屋敷があるのが普通だったんだよね。家をデコレーションして、覆面をして、子供達を怖がらせてさ。兄貴、父、母、叔母さん、従兄弟も、もちろん僕もだ、みんなが家の前に覆面して座ったり、ミイラになって寝ていて、誰かが前を通ろうものなら「ワァーッ!!」って驚かせてたんだ。
だから毎年ハロウィンになると街中の人がウチに来るようになったんだ。ハロウィンの日はみんなが仮装して街に出るだろ? 小さい街だからハロウィンの最終地点がウチみたいな流れになってさ、ハロウィンには毎年だよ。大好きだったからもちろんタダでね。だからお化け屋敷で育ったみたいなもんだよ(笑)。

●もう一つ子供時代にネズミを闘わせたエピソードもあるんだよね?

N : それは“Fight Rats”のことだね、OK。小さい頃に友達とスケートをしていてちょっと飽きて疲れたからペットショップに入ったんだ。店内をウロウロしていたら店の奥の方からカリカリって音がしていて、音の方に近づいていくと一匹だけ狂った様に殺気立ったネズミがいたんだ。そいつはケージの中にいる他のネズミを噛んでいて「うぉ~、こいつヤベェ!」ってすぐにみんなから小銭を集めてそのクレイジーなネズミと他のケージに入っている普通のネズミの2匹を買ったんだ。
すぐにそのペットショップの裏の駐車場にまわって小さな箱にその2匹を入れたんだ。そうしたら次の瞬間にクレイジーなネズミがもう一匹をガンガン向かっていって噛み殺しちゃって僕らは目を丸くしたんだ。「Oh!Shit!!こいつ頭を喰ってるぜ!!」って大興奮だよ。
でも僕たちはクソガキだったからそのままペットショップに戻って、店員に「さっき買ったネズミを同じ箱に入れたら共食いしちゃって1匹死んだからもう要らない。お金返して!」って返金してもらったんだよ(笑)。

●ははは、オチがヤバいね。やっぱりホラー映画とか好きなんですか?

N : そうだね、大好きなんだと思うよ。なぜかというと子供の時に最初に覚えた感情が”恐怖”だからね。初めて熱いストーブを触ってしまった時の感覚を覚えてるから、今は触らないじゃない? ホラー映画にも同じような感情、つまり初めて味わう怖さが毎回あって、その感情は今でも記憶しているしね。だから「エルム街の悪夢」、「ハロウィン」、「13日の金曜日」などのクラシックな古いホラー映画が好きだよ。

●お化けは見た事がある?

N : 僕自身は見たことないよ。心霊体験は沢山聞いてけるけど存在しないとは思ってない。まだ僕には話しかけてきてくれてないね。話しかけられたら教えるよ(笑)。

●スケートとグラフィティーのどちらを先に始めたんですか?

N : スケートだよ。スケートがあるから今ここにこうしているんだ。僕はスケーターだ。
それ以外のことは全てボーナスだ。
例えば明日締め切りの絵を描いていても、誰かからスケートしようと電話が来たらまずはスケートに行くよ。帰ってきてから続きをやるんだ。
僕はいつも「ブラシ(筆)を持つ前にデッキを持つ」って言ってるんだ。だからペイントが出来る時にだけペイントをしている。
僕はスケーターだ。僕の全てのアティテュードはスケートだ。なぜならスケートには境界線がないんだ。スケートには誰かにこれをやれとかするなとか指図が存在しない。楽しんでいればどうやってもいい。モンゴプッシュ(通常とは反対の足でプッシュ)だろうとなんだろうと楽しんでれば関係ない。それは僕のアートワークにも共通する。僕のことを絵が描けないとかスタイルが気持ち悪いとか言うけどそんなものは”Fuck you!”だ。これが僕のアートで、楽しんで描いているんだ。
これがスケートのアティテュードだよ! 僕は死ぬまでスケートするよ。

●ではグラフィティにどうやって出会ったの?

N : 僕の兄貴たちがグラフィティーをやっていて、僕がまだ5歳の時だったけど、地元にスプレー缶やマーカー、それとレコードなどを売るグラフィティー・ショップがあって、そこの壁には誰が何を描いてもよかったんだ。
母は5人兄弟だった僕らの面倒をみきれずに、よくそこに僕らを置いて出かけたんだ。もちろん最初はスプレーで”Fuck you”とかくだらないのを描くところから始まったけど、兄貴たちがいたからグラフィティー界のルールみたいなものも早い時期から知ることが出来たね。

●今までThrasherのカバーを飾ったアーティストはMark Gonzalesとあなたがいると思いますがどのような経緯でカバーを描くことになったんですか?

N : Thrasherのアーティスト・カバーは創刊号のKevin Thatcher、その後はRobert Williams、Pushead、Mark Gonzalesが描いて僕が2005年にやった。アートカバーはそれからは出てないね。僕は当時ニューヨークに住んでいたんだけどちょうど地元に帰ってきて、何もやる事がないから母にサンフランシスコまでドライブしてもらったんだ。サンフランシスコの色々なスポットでスケートをしながらあらゆる場所にササ~ッと描いて夜中の12時頃に家へ戻ったんだ。
そうしたらThrasherの編集長のJake Phelpsが僕が描いたものをいくつか見つけて、僕がスケーターだということを知っていて友達を通じてJakeから連絡が来たんだ。「明日Thrasherに来い!」ってね。
Thrasherといえば僕が愛している雑誌だったから興奮しながらJakeのオフィスに入るとJakeが脚をテーブルの上に載っけて待っていた。
「お前スケートするのか?」って聞かれたから「する」って答えたら「アートもやるんだろ?お前左利きだろ?」って言ったんだ。「なんで分かるの?」って聞いたけどそれには答えなかったね。
ただ僕にはJakeが良い意味でクレイジーだってことがすぐに分かったんだ。その後も他愛もない話をしてくるから、僕もクソみたいな話を色々としたんだ。男の会話ってやつかな?そうしたらJakeからThrasherのカバーをやってみないか?って提案されて”マジかよ!!”って。

Thrasherは僕のバイブルだぜ、もうこの場で僕を殺してくれても構わないと思ったね。
それからJakeは僕をサンフランシスコのCrocker Amazon Skateparkに連れて行ったんだ。そこでJakeは僕がスケートをするのをずっと見ていたんだ。

●それはテストだね。

N : その通り。僕が部屋に籠って絵だけ描いているアーティストじゃなくて本当にスケーターなのかを確認して「よし、じゃあやろうぜ!」ってね。

家に帰るとすぐに表紙のドローイングを描いてThrasherのオフィスに戻ったよ。そしてJakeと一緒に故Fausto Vitello(Thrasher、Juxtapozなどを出版するHigh Speed Productionsの設立者)にその絵を見せに行ったんだ。
Jakeはクレイジーだから僕とFaustoが向かい合って真剣な会話をしている最中にFaustoの後ろに回るとFaustoの背後で中指を立てたり、蹴りを入れるフリをしたり、、、僕には一世一代のチャンスなんだからおいおいJake勘弁してよって心臓が止まりそうだったよ。

そして、Faustoは僕のアートワークの上にThrasherのロゴを黒で入れて印刷しようって言ってくれて、あのカバーになったんだ。
Baker Skateboardsクルーを含む僕の今の友達全員があのカバーを見てくれたから確実にあれは僕のキャリアを上にあげた出来事だった。今はFaustoファミリーやJakeとも本当の友達になれたし、凄く大きな扉を開けたんだと思う。

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