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STONE LOVEのRORY来日インタヴュー


Text and Photo by Koji Yawata

サウンド・カルチャーのスーパースター、レジェンドであるSTONE LOVEのRORYがBAD GYAL MARIEとの「BEERMUG JAPAN TOUR」で3年振りに来日した。出演したMIGHTY CROWN主催の「BACK TO THE HARDCORE」とのジョイント・イヴェントの合間に話を聞くことができた。

RORY(以下、R):最初に俺を見たのはHOUSE OF LEO(注: 90年代にSTONE LOVEがレギュラー・イヴェントを開催していたキングストンの野外会場名)の頃だって? それは随分前の話だな。だから君も白髪だらけなわけだ(笑)。ああ、ってことは、コイツ(横にいたRENAISSANCE SOUNDのDELANOを指して)がまだゲイだった頃か(爆笑)、いやいや、冗談だよ。

●少し話を聞かせてもらってもいいですか?

R:いいけど、金払えよ(笑)。

●イギリスで生まれてジャマイカに移り、高校卒業後の80年代半ばにセレクターとしてSTONE LOVEに加入、現在まで世界的に活躍されてきたRORYさんのキャリアはこれまでに色々と紹介されていますが、その中で最初にいくつか確認させてください。

R:悪いけどもっとデカイ声で話してくんないか? いや、ノー・ディスリスペクトだ。この後にもう一度プレーするから(会場内から聴こえている)MARIEのプレーも聴いてて、それで聴こえなくなるんだ。

●はい。まずですけど、STONE LOVEはRORYさんが加入したことで人気が出たと理解していますが、ジャマイカの中でどのようにSTONE LOVEは人気を確立していったのでしょうか?

R:自分が加入した当時は全然だったよ。すぐにビッグ・サウンドになったわけではないな。いや、何か具体的に知られるようなエピソードや「あのダンスで~」みたいなターニング・ポイントと言えるような機会があったとは言えないかな。STONE LOVEでは、自分は選曲とプレーを担当して、WEE-POW(STONE LOVE設立者)がサウンドの管理と音質を担当して、お互いの役割をそれぞれ向上させていく中で次第に知られていくようになったんだ。二人が両翼になってこうやって(両手を伸ばして)広がっていったと思っているよ。自分だけでなくて、WEE-POWがこだわったサウンドやダブの音質の影響も大きかったよ。それも他のサウンドとは違っていたから。他よりももっとクリーンな音質だったんだ。

●「選曲とプレー」と言えば、RORYさんはそれ以前のラバダブ・スタイルを中心としていたサウンドとは違うスタイル、ディスコ・ミックスやジョグリン・スタイルでサウンド・シーンを大きく変革させましたが、それを始めたきっかけを教えてください。

R:STONE LOVEはWEE-POWがもともと70年代にスタートしていて、自分が加入した当時もまだハウス・パーティーとかが活動の中心だったんだ。そうした場での中心は女の子達なんだよ、そうした女の子達を求めて男達も来るんだよ(笑)。まぁ、もともとダンスとはそういう場だよ。だからよりスムースにミックスしたり、ディスコとかレゲエ以外の曲を混ぜたり、より盛り上げるために曲のサビとかをクイックでつないだりしたんだ。それで人気を集めていくようになったし、それが自分のスタイルと認識されるようにもなったんだ。

●プレーする中で生まれた、ということですね。

R:自分はTUBBY’Sとか、DADDY U-ROYのKING STUR GAV、STEREOGRAPH、あとVOLCANOとか、そうしたビッグ・サウンドで育ってるし、そのラバダフ・スタイルの大ファンだった、U-ROYとかめちゃくちゃ格好良かったしな。ただ、現在の若い世代のセレクター達が自分よりもさらにクイックに曲をつないでいるように、時代の中で変化はするし、変化は時代の中で求められていくものなんだよ。テクノロジーが進化してできるようになることもあるしな。だから、自分もそうしたビッグ・サウンドの人達とは世代も違うし、それまでの一台のターン・テーブルでプレーする時代でもなくなっていたんだよ。何か自分が全てを変えたわけではなくてね。ただ、始めた頃からいつも会場の雰囲気は大切にしていて、それは現在もそうだ。

●具体的にはどのような「会場の雰囲気」を?

R:うーん、まぁ、会場全体が良い雰囲気って言うのかな、グッド・ヴァイブスになることだね。ダンスは誰もが楽しみに来る場だし、自分のプレーで集まった客を楽しませることは人気が出る前からも、出てからも現在もずっと意識している。自分のスタイルもその中で生まれているし、変化もしていると思うよ。

●なるほど・・、

R:あと、自分が今の若い世代に対してあまり色々と言いたくないのは、自分がクイックとかそうしたスタイルを始めた頃に上の世代からボロクソ言われたりもしたからだったりもするんだけど、まっ、自分もコイツ(DELANOを指して)が出てきた時には「何がリミックスだ」って言ったもんだけど(爆笑)、でも、いつの時代もそうやって新しいことを生み出すのは新しい世代、若い世代だと思っているんだ。色々なカルチャーも時代の中でそうやって進化して発展していくものだと思うんだ。あの当時は自分がそうした若い世代の一人だったんだ。

●あと、RORYさんが当時に生み出したとされる新しいスタイルの中には「MC」も含まれていると思いますが、それはどうですか? 例えば、特別に影響された存在、憧れたヒーローとかはいましたか?

R:ヒーロー?、そりゃ、ブルース・リーだろ、間違いないよ(笑)。I-ROYだね、名前を挙げるなら。いやー、もー、I-ROYの声、あと、その使い方、話し方はヤバかったよ。

●現在の活動のことも聞かせてください。現在はセレクター、STONE LOVEでの活動とは別に同時にプロデューサーとしての活動もされています。

R:まぁ、今夜もそうだけど、現在もセレクターとして活動しているし、それを楽しめている。さっきも「セクシー・セグメント」とか言ってプレーしたけど、歳を重ねてもそうした「若い曲」をプレーして楽しめる自分はいるよ。ただね、自分にも子供がいて、その子供も自分がしていることを理解するような年齢になってくると親としてそれだけを続けていられなくなるよな、、、、わかるだろ? もう、俺の髭にも白髪が混じっているわけでさ、いつまでも「ギャル・チューン!!」「バッドマン・チューン!!」とかばかりは言ってられないよ(笑)。

●わかります。

R:あと、プロデュース業は別に新たに始めたわけではない。STONE LOVEでダブを録ることもプロデュースだし、STONE LOVEのレーベル業にも関わってたりもしていたから、その当時から続けている感じだ。

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