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「スタラグ」「ダブル・バレル」の作曲者アンセル・コリンズ

●リー・ペリーじゃないとは、それはスゴイ話です。そして1971年にさらに大事件が起こります。デイブ& アンセル・コリンズの二人で放った大ヒット「Double Barrel」は、全英チャートで1位となりBBCのTop of The Popsにも出演しましたよね、この歴史的な映像は今でもYouTubeで見ることができます。その「Double Barrel」はアメリカでもビルボード・チャート22位になりました。この時の思い出を。イギリスには誰に呼ばれて行ったの?

A:「大ヒットしてるから」ってトロージャン・レコードから呼ばれてイギリスに行ってTop of The Popsに出演したんだ。1位だったからショーもたくさんやった。何ヶ所を廻ったかは全く覚えていない。イギリスを色々と廻って、ベルギーとかその他の国へも、、、とにかく9ヶ月も滞在したんだ。

●こんなすごい曲「Double Barrel」はどうやってできたの? 実際はアンセルが1968年にレコーディングしたって本当?

A:1968年に僕のプロデュースでFederal Studioでレコーディングしたんだ。プレイヤーはキーボードが僕、 ギターがボビー・エイトキン、スライ・ダンバーがドラムだった。ベースギターはカール・ドウキンスの「Satisfaction」「Baby I Love You」などで プレイしていたヴィンセント・ホワイト。この曲をレコーディングしたときは、まだウインストン・ライリーとは出会ってもいない。Techniqusが有名グループだったから、彼がそのメンバーだってことは知っていたけどね。
翌年の69年にRJRラジオのリンフォード・アンダーソンってやつがウインストン・ライリーを連れて僕の家に現れて、「僕の曲を彼のレーベルからリリースしないか」と相談されたんだ。そして翌年の1970年にJoe Gibbs Studioでデイブ・バーカーのボイスをレコーディングしててリリースしたんだ。
そういえば2年前にイギリスのスカ・フェスティバルに出演してデイブとこの曲をやったら今でも大うけだったよ。

●レゲエ好きなら誰もが聴くことになる74年の「STALAG 17」も、アンセルがプロデュースしたって本当なの?

A: そうさ、レコーディングしたのはチャンネル・ワン・スタジオでメンバーはSoul Syndicateだ。つまりギターはチナ・スミスとトニー・チンがリズム・ギター、ドラムはサンタ・デイヴィス、ベースにジョージ・フルウッド、キーボードは自分だ。それまで色々参加したセッションの中でもトップクオリティーで、レコーディングしている最中から「これは大ヒットだぞ!」って全員が思ったんだ。
最初のリリースはビッグ・ユースの「All Nations Bow」だ。アンセル・コリンズ名義はB面のヴァージョンの「STALAG 17」だ。

●その後、数多くのアーティストがこのトラックをもとにレコーディングをしたりサンプリングをしています。例えばテナー・ソウの代表曲「Ring The Alarm」(YouTubeで330万回再生)やシスター・ナンシー「Bam Bam」(YouTube 1,700万回再生)などをはじめ、レゲエ史上最も使われているリディムとも言われています。それについてアンセルとしての感想は?

A: それについてはすごく名誉なことだし、それに見合う充分な手当ても入ったといえばいいのかな。

●アンセルはたくさんのバンドに参加しているけど。

A: チャンネル・ワンのバンド、ザ・レボリューショナリーズ、 シュガー・マイノットのブラック・ルーツ・プレイヤーズ、バニー・リーのジ・アグロヴェーターズ、チナ・スミスのソウルシンジケート、ザ・グラディエーターズ、レコーディングもグレゴリー・アイザックス、ザ・マイティ・ダイアモンズをはじめ沢山やったよ。それにジミー・クリフのバックバンドとして日本に1994年、1995年、1996年と3度行ったから今度日本に行くのは23年ぶり、すごく楽しみなんだ。

では、今度の来日はGladdy Unlimitedという“グラディ”アンダーソンのトリビュートだけど、彼と初めて会ったのは? 

A: 正確な年は覚えていないんだ。60年代後半にFederal Studioでレスリー・コングのBeverley’s レコードのセッションで初めて会ったんだ。
その後グラディとは本当に数えきれないほど多くのセッションをしたね。特に想い出深いのが69年にFederal Studioでトゥーツ&メイタルズの「Sweet & Dandy」と「Pressure Drop」を一緒にセッションしたときだな。レコーディング中のグラディは、いつも本当に厳しい男で笑顔を見せるなんて全くない男だった。しかしこの時だけは彼も本当にニコニコだった。なぜならボーカルも演奏も完璧だったからね。君たちも知ってるようにこの2曲はビックヒットだ。

●アンセルからピアニスト、グラディを見てどう思う?

A: 全てが独自のグラディ・スタイルを持つ本当に素晴らしいジャマイカン・キーボーディストの一人だった。そしてレコーディングはいつだって本当に真剣だった。

●最近のアンセルは、どんなことをしていますか?

A: もちろん今でも曲作りをしていて、今日もミキシング・ラブ・スタジオでレコーディングをしてきた。ネヴァーストップだよ。俺はシンガーだから日本では、キーボードだけじゃなく歌うよ。


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