• OVERHEAT MUSIC

Gary Panter


Interview by Shizuo “EC” Ishii, Translation CB Ishii

ゲイリー・パンターはペインティング・アーティスト? カトゥーニスト? イラストレーター? デザイナー? ミュージシャン?
いや単に真のアーティストなのだ。
彼のInstagramには描きかけのドローイングやペインティングはむろんのこと、陶器やレコード、うまそうなブランチ、たまにはビーズのネックレス、ゴジラのフィギュアなどが日々アップされる。
う〜む、最近はどうしているのか? iPhoneのFaceTimeでも鳴らしてみるとしよう。

●Hi、元気?疲れてる?

Gary Pater(以下G) :ふふ、そうだね、今日はアートスクールの授業で教えた後、本当はギャラリーのオープニングへ行く予定だったけどちょっと疲れて帰ってきたよ。

●そういえばテキサスにアトリエを買ったんだって?

G:ホームタウンのテキサスにとても小さなビルを購入したよ。スタジオを作ろうと思ってね。鉄骨建築だけどコンクリートが敷いてある。1エーカーのコンクリートだよ。だからひまわりをコンクリートのガーデンで育てたいんだ。まだアイデアだけで始まったばかりなんだ。今ビルを解体していて、新たに建て直してるんだ。

●じゃあテキサスに移住するの?

G:いや、それはないね、テキサスに移住したら僕の頭がおかしくなるよ。住むのは死ぬ直前だね (笑)。正直いって家族を愛しているしテキサスも愛しているよ。でもとても保守的なドナルド・トランプ・タウンでね。16,000人しか住んでない小さな町に、なんと86もの教会があるんだぜ。クレイジーだろう?でも食べ物はとても美味しくて、テックスメックスのメキシカンフードにバーベキューなんて最高だよ。動物だって沢山いるからガーデンを作って小さな池に魚を放してなんてことも考えてるけどね。

●そういえば、今はロングヘアーなんだね?

G:そう、今までにもロングヘアーは何度かあるんだけど、今度は4年くらい経ったかな。ひとりで住むようになったし親も亡くなったし、心境の変化ってやつでロングヘアーにしようってね。いつもひとりでいたいとは思わないけど、ひとりの生活も楽しいもんだよ。毎日ドローイングざんまいで寝るっていうのもなかなか悪くないね。

●他にはどんなライフスタイルなのかな?

G:ちょっと歳もとったからね、去年は病院に行ったりしたから作品作りはちょっとマイペースになったかな。でもペインティングとカートゥーンはずっと続けていて、先週ちょうどヒッピーコミックが完成したところだね。1960年代のZap Comix(ロバート・クラムが始めたアンダーグラウンド・コミック誌)のような感じだよ。だからそれが新しく発表するものになるね。それ以外にも新しく陶芸を始めていて小さなティーカップを作っている。まず100個を作るのが目標だ。でも僕の作るカップはちょっと重いから軽くしなきゃいけないな。
クリエイティブなことはいつもやっていて、今年の初めにデヴィン、ゲイリー&ロスで『Fog Window』というレコードも出したよ。僕が病気だった1年間はできなかったけど、最近またLAの友達のデヴィン・フリンがNYに来て新しい曲を作った。それが誰かと繋がる時間だね。僕は今ひとりで住んでいて、ひとりでいるのが好きで、まあお客も来るからずっとひとりというわけでもないけど、僕はここにいてアートを作るのが好きなんだ。だから音楽をやることは出かける理由にもなっていいね。

●最近Instagramに陶器をアップしているのを見たよ。どういうきっかけで始めたの?

G:アーティストとして単純に興味を持っただけだよ。ずっと生き続けられるわけじゃないから、出来そうなことは何にでも興味を持つんだ。色々と本を読んで一つずつ試してみるようにしている。じつはあるプロジェクトがあって、そこに色々とパワーを注ぎ込んでいる。そいつはヒッピー・プロジェクトさ。60’sの小さなアート・プロジェクトで2000年代からヒッピーのような小さいアート・プロジェクトをやってるんだ。来月はマサチューセッツのギャラリーでショウがあるけどヒッピーものを並べるよ。

●数年前にビーズで作った作品を僕に送ってくれたことがあったね。

G:そう、あれもヒッピープロジェクトの作品だ。ビーズのネックレス、陶器、block printed textiles (ヒッピー・バンダナ)、大きなキャンドル、ヒッピー・ニュースペーパー、ヒッピー・コミックブック、ヒッピー・ポスターとかね。あとはヒッピー・ミュージックだよね。サイケデリックミュージック。ECが昔(1983年)リリースしてくれたレコード『Pray For Smurph』はサイケデリック・カントリー・ミュージックだよ。今でもサイケデリック・ミュージックをやっていて、今はスキルのあるミュージシャンの友達がたくさん増えて、僕も少しは様になって見えてるはずだよ。

●クリス・ヨハンソンのバンドSun Footと一緒にツアーに出かけたときのことを教えてください。(Chris Johanson:もともとはベイエリアのスケーター、アーティスト)

G:クリスはいつも僕らに「早くステージから降りろ!」って言ってたよ、きっと僕たちのプレイが長すぎたからだろうね(笑) 。西海岸を3バンドで回ってたから、みんなプレイ時間が欲しかったんだ。
みんなでオレゴン州のマリファナ栽培をしてるとても小さな町に行ったんだ。バンドの荷物を積みこんでロングドライブしてようやく辿り着いたそこはあたり一面が牧草地で、本当に牛と草しかないところだった。だからみんなで不機嫌になってると、若いやつが向こうから来たから「僕たちがプレイできる場所はないのか?」ってたずねると「あそこに小さな家があるぜ」って。行ってみるとそこは泥と砂利に猫の糞の混じった床のガラージで、「さすがにこれは最低だ、クレイジーだからやめよう」って他のバンドのみんなと話していたら、デヴィン・フリンが「いいから車から降りろ! ここでプレイするんだ。何かまずいことでもあるのか!」って言い出して、僕らは泥まみれの床のガラージにセットを組んで、僕たちが一番始めにプレイし始めると少しずつキッズ達が集まってきて、ガラージの前で焚き火をやりだしたんだ。
気がついたらもの凄い人数のキッズが集まっていて、全員がLSDでトリップしちゃってるんだ。ガラージにも沢山のキッズが入って来て押し合いへし合いで盛り上がってきてるからLAの誰かが持たせてくれた大量のクッキーをみんなに配ったりしながら、Butthole Surfersの曲をプレイしたらみんながジャンプして踊りまくってさ、女の子軍団が僕に突っ込んで来たから僕はギターで押し返したら、ギターの弦に女の子の髪の毛が絡まってるんだぜ。とにかくワイルドだった。
何もない場所の泥まみれのガラージですごくハイエナジーな、とてつもなくクレイジーなショーだった。
それ以外では車がパンクしたり、ジミ・ヘンドリクスのお墓にも行ったよ。実は80年代にNYで有名だったマーク・クレイマー(カルトバンドShockabilly,Bongwater)が僕らのメンバーとして一緒にツアーを回っていたんだけど、誰も僕らのバンドなんか気にしてないから誰もクレイマーだなんて気づいてないんだ。ジミヘンのお墓に行ったら大きなモニュメントがあったんだ。でもクレイマーの頭の中は、もはやかなり遠くまで行っちゃっててさ。「No! これは絶対違う、墓は違う場所に移されたんだ。俺は本物のジミヘンの墓を探しに行く!」って言い出してさ、「いやいや、もう次の街でショウをやらなきゃ!」って説得して大変だったよ。やつはクレイジーだ(笑)。
カナダもイーストコーストも廻ったけど、お金ばっかりかかってね。言ってみれば“The lose money tour”だよね(笑)。 でも一緒に曲作りだけはしてるんだ。それが一番だよ!

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