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2020年の年始から現在までのジャマイカ近況報告

レゲエ・マンス(ジャマイカレゲエ月間)
2月1日からは、もう恒例となったジャマイカをあげてのレゲエ月間の始まりです。2年前にレゲエがユネスコの無形文化遺産に選ばれたこともあり、ジャマイカの文化相はこの2月をレゲエ強化月間にして国を挙げてサポート。今年はレゲエ・マンスにどんなイベントが行われているかがすぐわかるホームページやアプリまで開発し、海外からの観光客誘致に力をいれて本当にすごいです。

まずは2月1日は故デニス・ブラウンの誕生日イベント、2日日曜日はダブ・クラブでデニス・ブラウン・トリビュート・イベント。
毎週火曜日はハーフウェイツリーの会場でレゲエ・ムービーナイト。毎週週替わりで『ハーダー・ゼイ・カム』やダンスホール・クイーンなどのレゲエに関する映画の放映が行われます。




毎週水曜は毎週JaRIA(ジャマイカ音楽興業団体)主催のレゲエ・ウェンズデー、これもニュー・キングストンのエマンシペーション公園でかなり豪華なステージ・ショウが無料で見られます。






毎週土曜日はチルドレン・オブ・アイコン(第2世代レゲエのアーティスト)というコンサートが週ごとに様々な場所で行われました。偉大なレゲエのアーティトの子供で今アーティストになった人達、例えばアルトン・エリスの息子のクリストファー・エリスや、トミー・コーワンの娘ナオミ・コーワンなどのコンサートが行われ、キングストンではなんとボブ・マーリーの息子のジュリアン・マーリーまで登場しました。

そして今年はレゲエ月間コンサートだけではなく、国立美術館でジャマイカ・ジャマイカというタイトルのレゲエに関する特別展示イベントも行われました。展示物は60年代から始まり貴重なコクソンの看板やスタジオ・ワンのミュージシャンの楽器などで、私が一番びっくりしたのは、あの映画『ハーダー・ゼイ・カム』でジミー・クリフが実際に着用していた胸に星がついた黒いロンT。展示の最後のコーナーにはダンスホール・クイーンの特集ビデオがありました。本当に感動しました。

スペシャルイベントとしては2月6日にレゲエ月間で一番大きなイベント、故ボブ・マーリーの誕生日を祝う無料のステージ・ショウがボブ・マーリー博物館で行われました。生きていれば今年75歳のボブマーリーを祝うために現在闘病中の妻、リタ・マーリーや息子のJrゴング、キマーニ・マーリー、アイ・スリーズのメンバーだったマーシャ・グリフィスなどかなり豪華なメンバーがショーを行い世界中のボブ・マーリーファンが集まり彼の誕生日を祝いました。



2月22日はロッカーズ・テークオーバー。80’s DJピーター・メトロがMCで80’s、90’sのみのパーティー、スペシャル・ゲストはマックス・ロメオとジョニー・オズボーン。






2月23日は故デニス・ブラウンの誕生日を祝う、デニス・ブラウン・コンサート。毎年年末に花火が行われるキングストンのダウンタウンの海の前の特設会場で行われました。今年も豪華なメンツで、同じオレンジ・ストリート出身でデニスの親友のビック・ユース、そしてデニスが発掘したシンガー、エロール・ダンクリーはもちろん、フレディー・マクレガー、トーラス・ライリーなどの豪華メンバーが出演しました。毎年素敵なコンサートです。
2月28日はレゲエ月間最後のイベント、サウンド・エコー。ナショナル・スタジアムになんと12のサウンドがスピーカーをフルセットで出してサウンドの祭典。ブラック・スコーピオ、キング・ジャミーズ、スワッチ・インターナショナル、サウンド・チューパーなどの世界でも名前が通っているビッグ・サウンドがフルシステムで登場、しかも最後は15分のクラッシュ形式で4サウンドまで絞られチューン・フィ・チューンまで・・・サウンド・ファンにはよだれが出るようなダンスがジャマイカ政府の主催で行われました。文化大臣の“バブジ”グリンジまで実際にサウンド・クラッシュにセレクター、MCとして参加。やっぱりこの国は面白い。大臣がレゲエでセレクター、MCですよ?ありえないですよね。

このイベントが最後で今年のレゲエ月間は豪華に幕を閉じました。

今のジャマイカの状況
このレゲエ月間が幕を閉じた次の日3月1日にジャマイカ初のコロナ患者が発見されました。ジャマイカではこの時期まだコロナの患者もいなく、みんなTVの中、ほかの世界のことと思っていたみたいですが、最初のコロナ患者が出て以来、ちょっとパニックになってマスクをしている日本人を見たら「お前ら中国人が菌を持ってきた」とか、バスやスーパーで「お前らあっちいけコロナを移すな」とか、ちょっとした嫌がらせがあったのですが、患者が増えるたびに、その患者たちはすべてジャマイカ黒人で、しかも海外から帰ってきた人だというのが発表され、日本人(中国人)差別も少しはましになりました。そして3月6日にはすべての学校が閉鎖。3月12日からはすべてのダンスは自粛要請。(この時はまだ要請でしたが)、すごいことに、この日を機に夜の遊び場はすべてなくなりました。その後患者は増えていきますが、コロナの患者が増えるたびに海外から帰ってきた人とその濃厚接触者に限られた感染ということが判明し、この結果をもとに3月22日首相のアンドリュー・ホルネスはジャマイカの空・海の入国をすべて閉鎖、今日4月4日に至るまでジャマイカは閉鎖状態にあります。もちろん観光が一番の産業の国で外国人が来なくなったことで、すべてのホテルは6月までクローズ、モンティゴ・ベイやネグリルでは大量の失業者が出ました。

4月1日からは政府が夜間8時から朝6時までの外出禁止令を出しました。初日からポリスが町を巡回、特にゲットー地域を見回り、外出した人たちを逮捕して、その様子がテレビのニュースでも放映されて、ジャマイカ国民も自粛ムードが高まっている状況です。ジャマイカのすごかったことは初めの患者が出てから学校の閉鎖や、人が集まるダンスやイベントの自粛、そして強制執行して閉鎖、外出禁止、ロックダウンまでの決断がとても速かったことです。もちろんほかの国と同じく、今からコロナが収まるまで一体どれくらいかかるかわからないし、ホテルやレストランや社交場はクローズ、全世界が経済的にすごくつらい時期をこれから体験することになるでしょうが、街で音楽が一切しないジャマイカを想像できますか?
早く夜普通にダンスやショウに行ける通常の日々が戻ってくることを心から祈っている毎日です。日本の方もこれからが山だと思いますが、お互い頑張りましょう。次は音が通常に戻ってきたらまた楽しいレポートをさせていただきたいと思います。来年1月にはレベル・ソルート、2月はまたレゲエ月間が普通に戻ってくることを祈るばかりです。


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