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『ROMAIN VIRGO』meets CHAQURA


Interview by CHAQURA、通訳:八幡浩司 Photo by “EC”

8月、9月、10月はジャマイカとイギリスの素晴らしいレゲエ・シンガーの来日ラッシュだった。若手のクリストファー・マーティン、イギリスからビティ・マクリーン、大ベテランのリロイ・シブルスとフレディー・マクレガー、そして22歳のロメイン・ヴァーゴ。その中でも若いロメインのレゲエ・シンガーとしてのスタンスにはレゲエ界の将来を期待させるものがあった。Mighty CrownのSami-Tが、「Ragga China」プレゼンツとして横浜ベイホールで開催したコンサートの翌週、ロメインの待つ横浜のMighty CrownオフィスをシンガーChaquraが訪れた。

CHAQURA (以下C):僕は初めてミニアルバムを6月に出したシンガーなので色々と聞きたいんですが、ロメインさんは2枚目のアルバムですね。前作のファースト・アルバム『ROMAIN VIRGO』から今回の『THE SYSTEM』に至るまでに、色んなことがあったと思うんですが、その中でも特に自分を変えたような出来事があったら是非聞きたいのですが?

ROMAIN VIRGO(以下 R):最初のアルバムは自分にとってはそれまでに録りためたシングル曲のコンピレーションに近くて、アレを出してからの2年間で一番大きく変わったのはアルバムを作るという考え方だね。だから気持ちの部分でも視野を広げて色んな物事を見るようになって、その中で自分なりに色々違うトピックスで曲を作るようになった。視野が広がったということと、音楽に対する取り組み方というのが、より真剣になってきたというのがある。見たり感じたことを曲に表していく上で、前よりも選んでいるトピックスの幅を広げたことだと思う。そうして作った曲を『THE SYSTEM』という一つのアルバムにまとめたんだ。前作はアルバムというよりは、それまでの曲をまとめたコンピにすぎないから、今回の方がアルバムを作っているという実感があったよ。でも前作があったからこそ、今度は逆に作り方をそういう風にできるようになったというのが、一番違う点だと思う。

C:アルバムを聴かせて頂いて、メロディだったり歌唱法が独特でオリジナルだと感じたのですが、歌うきっかけとなったアーティストや、ずっと好きなアーティストがいたら教えてもらえますか?

R:べレス・ハモンド、デニス・ブラウン、アルトン・エリス、ボブ・マーリー、ルシアーノ、サンチェス、ブジュ・バントン、シズラなどそういった人達を聴いてきたよ。もちろんパーシー・スレッジ、オーティス・レディング、マーヴィン・ゲイのような古いソウルも聴いて育っているし、自分はその人達に影響されたのは間違いないけれど、それに追随したというのではなく、よく聴いていたのがそれというだけだよ。それよりも大切にしているのはオリジナリティで、自分の見たこと、感じたことを自分の音楽にいかに入れるかということが大事で、自分の音楽を作る時は、自分の個性を大事にしている。だからオリジナリティがあるというのなら、自分の個性が音楽に出ているからだと思う。

EC(以下E):「THE SYSTEM」のPVの中に、遺影みたいな写真が出てくるんだけど、アントニー・ブラウン?って書いてある写真がでてきてたけど、あれは何か意味があるのかな?何かそう言う事件があったとか?

R:えーっと、どれのことだろう?ああ、あれはジャマイカで周りの人に言われた通りに演じただけのPVだから、リアルな物ではないんだ(笑)。アントニー・ブラウンもいないんだよ(笑)アントニー・ブラウンっていうのは、ジャマイカではよくある名前で、それ以外に特に意味はないと思う。

E :名前まで出ていたから何か意味があるのかと思って、それにインスパイアされたりしたのかなと思ったりしたんだけど(笑)。

R:あれは言われた通り演じただけなんだ(笑)あの写真の男性も本当の名前はアントニー・ブラウンじゃないと思う(笑)。

E:じゃあ、それはそれでなかったことに(笑)。

C:ステージ上で、お客さんを相手に歌っている時に、何か心がけていることってありますか?

R:ジャマイカだろうと、どこであろうといつも自分が心がけているのは、客席には誰もいないと思うこと。とりあえずお客さんは誰も自分の曲を知らないと思うようにしてるんだ。誰もいないと思うと同時に、そこにいるお客さんみんなが自分の曲を初めて聞く曲なんだというつもりで、お客さんに気持ちを伝えるために、最大限気持ちを込めて歌う。そしてお客さんからいい反応が返ってくれば、それに対してもっともっと気持ちを込めていくんだ。一つ一つのショウで、自分にはそれしかできないと思うようにしている。

八幡:ステージに出るのがこわいことはない?

R:どんなアーティストでも緊張はすると思う。ただ緊張してしまうと、ベストなステージができないから、緊張しないように自分に言い聞かせてるんだ。お客さんが一人しかいない時も、大勢のお客さんがいる時も、結果的にやれることは決まっているから、そこでの最善を尽くすんだ。当然、今みたいに知られていない無名の頃は、殆どお客さんがいない所でもやるわけだし、知ってもらう為にカヴァー・ソングなんかもやっていたし。注目を集めるためにね。『ライジング・スター』(ジャマイカで人気のテレビ番組、ジャマイカ版『アメリカン・ アイドル』)に出るようになってからは、人に知られるようになって、見に来てくれる人がどんどん増えたんだけど、有名になってもやっていることは一緒のことで、緊張感を「やるぞ!」っていう気持ちに変えていくことによって、緊張を乗り越えていくんだ。恐れっていうのは、どんなアーティストでも、どんな大物でもきっとあると思うんだけど、それに負けないよう、その緊張を逆にいい方向に活用するようにしていくんだ。

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