• OVERHEAT MUSIC

鎮座DOPENESS & DOPING BAND


Text by 大石始 (Hajime Oishi)

そのスキルとオリジナリティーで他のラッパーを圧倒する鎮座DOPENESSが、近年ライヴを共にしているDOPING BANDとニュー・アルバム『だいぶ気持ちいいね』を完成させた。DOPING BANDのメンバーは、バンマス/パーカッションのIZPON(KINGDOM☆AFROCKS)を筆頭に、三根星太郎(ギター)、石黒祥司(ベース)、柿沼和成(ドラムス)という元・犬式の3人、女性ヴォーカリストのCHANMIKA、DJにDJ UPPERCUTという6人。イルリメやBUN BUN the MC、Leyona、SABO(KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE’S)も参加したアルバムの内容について、鎮座DOPENESSとIZPONの2人に話を聞いた。

●このバンドが始まったのはいつからなんですか。

鎮座DOPENESS(以下鎮):2010年にはスタートしてたっすね。スタッフと話してて、〈IZPONをバンマスにしてバンド組んでみたいねえ〉〈いいっすねえ〉ってことになって(笑)。勉強になりそうだったし、フェスにバンドで出てみたかったし。でも、いざバンドをやろうと思ってもどうやったらいいか分からなくて。そこでIZPON先生ならバッチリだろうと。

●IZPONさんが他のメンバーを集めたわけですが、元・犬式の3人に声をかけた理由はどこにあったんですか。

IZPON(以下I):鎮くんも犬式の面々も西東京の人だし、フィーリングが合うだろうと。あとはバンドとしての変態性の高さ(笑)。どいつもこいつもド変態だから、そのへんもバッチリなんじゃないかと思ってね。
鎮:BUN BUN(the MC)さんのバックを犬式がやったライヴを観たことがあるんだけど、そのときはびっくりしたな。すごく自由だったし、犬式に持ってたイメージとはちょっと違ってた。彼らは根本的にものすごい音楽好きだし、フラット。みんな何でもできるから、リラックスして音を任せられる。
I:みんな上手いし、オリジナリティーもあるしね。

●DJをバックにパフォーマンスする場合とバンドで歌う場合とでは気持ちも違う?

鎮:そうっすね、〈できることが違う〉っていう感じ。あと、バンドの場合、いくら〈今日のライヴは良かったな〉と思ってても三根くんが〈イマイチだったな〉なんて言うこともあって。その逆もあるし、おもしろいっすよね。〈オレは自分のことしか考えずに音楽をやってきたんだな〉と思いましたよ。DOPING BANDは近所の友達が集まったわけじゃなくて、音楽で繋がった人たちだから修行にもなるし。

●そのあたりは(鎮座DOPENESSが参加する)KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE’Sと違う?

鎮:全然違うっすね。KOCHITOLAの場合はお互いのことをよく知ってるから、みんながどういうところで満足するかっていうポイントも分かってるし、ライヴが終わったあとの感想もほとんど一緒だから。

●IZPONさんはどうですか、このバンドでのライヴは。

I:いやー、超楽しいっすよ。ライヴ中もゲラゲラ笑ってる(笑)。メンバー全員天然だから、どこを見てても飽きないっすよね。こういうバンドはなかなかないと思う。それに〈鎮座DOPENESS&DOPING BAND〉っていう名前だけど、別に鎮くんのリクエストを叶えるためだけにやってるわけじゃないから、みんながアイデアを出し合うんですよ。そういう意味でも単なるバックバンドじゃないし、いいバランスなんです。

●今回のアルバム『だいぶ気持ちいいね』についてなんですが、インタールードを挟む構成になってますよね。

I:〈ラジオ形式のアルバム〉っていうアイデアが最初に固まって、それから〈ラジオだったらお葉書コーナーもあるんじゃないか?〉とか〈架空のCMを入れよう〉とか想像が膨らんでいって。そういうインタールードの場合はオレらも〈50代のセッション・ミュージシャン〉っていう設定にして、ナレーションを付けやすいように自己主張の一切ない演奏をしました(笑)。

●そもそもラジオ形式っていうアイデアはどこから?

鎮:2010年ぐらいにこのバンドでライヴ・アルバムを出そうっていう話があったんですよ。でも、スタジオで録音したものもあったから、そういうものを全部まとめてラジオ形式にしようと。要は(三木道三の)『MIKI FM』みたいな感じにしたかったんですけど、なぜかサイケ電波放送みたいな感じになっちゃった(笑)。

●曲は(鎮座DOPENESSの前作)『100%RAP』のDOPING BANDヴァージョンがメインですよね。

鎮:そうっすね。さっき言ったようにライヴ・アルバムを作るつもりだったから、本当は全部『100%RAP』のライヴ・ヴァージョンになるはずだったんですよ。それがスタジオでリメイクする方向になった。
I:原曲をみんなで聴きながら、どういうアレンジにするか話し合っていったんです。〈『100%RAP』の曲をそのままバンドでやってみました〉っていうだけのアレンジだったら新しく出す意味もないから、いろいろイジっていって。

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