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294    ARARE    ARTISTS    BIGGA RAIJI    HIBIKLLA

Bigga Raiji, Arare, Hibikilla
MIC Blast from West
 
Text by Norie Okabe
 
  前号の当コーナーで紹介した東の若手代表選手とも言えるレイシー・バレットの2人以外にも当然、数多くの若手アーティストが西に負けじと連日連夜現場を熱くしている。今回はアルバムをリリースしたばかりのBigga Raiji、Arare、Hibikillaの3人を紹介しよう。
 
 まずは、マイク持ち歴13年、“待ってました!”というべきファースト・アルバム『あっぱれ!!』を投下したシングジェイBigga Raijiから。「(まずは)自分の力、自分の目線で勝負したかった」とのことで客演は一切なし。そのこだわりまさしく、軽快なライミングから伸びやかなシンギングまで、自らの持ち味というべきレンジの広いマイク技を披露するとともに、リリックに関しても彼自身の“等身大”な魅力を感じさせる好内容に。なにしろリード曲は“食べることが大好き”な側面を堂々と綴る「おなかの唄」である。「(前ミニ・アルバムの)『意気揚々』では自分の体を活かさなかったので、ここでは思いっきりやりたかった」と全身全霊を込めた“これぞBigga Raiji”なチューンだ。また、人の輪=Unityの大切さを歌った「地元があるって最高に幸せです。」や、笑顔をテーマにした「遠くまで」など、“ほんわかあったか”路線も彼ならではだろう。「(本作で)家族、仲間、熱さ、温かさ、いい出会い、悪い出会い、誰もが経験する事を“人生は最高だ!”とレゲエで(伝えたかった)」という言葉も大いに頷ける。大きなカラダと大きなココロ。“らしさ”がたっぷり詰まった“あっぱれ”な仕上がりである。

「あっぱれ!!」
Bigga Raiji

[Tokuma Japan / TKCA-73224]



 続いては「Road To 横浜レゲエ祭2006」優勝から1年、数々の作品に引っ張りだこだったArareの個人名義としては初の作品『ひとりあそび Vol.0』。「伝えたかった部分としては、Arareというアーティストが根本的にユニークであるってこと。お手本が一杯ある時代だからこそあえて無視したかった、人と同じ事を歌いたくなかった、人と同じ表現は使いたくなかったんすよね。それがオリジナルで在るって事だと思うんで」とは本人の弁。確かに、坊主頭の素晴らしさを詳細にわたり解説する「ボウズの美学」など、人が手を出さない痒いツボを狙ったお題選びは新鮮だし、役所からの督促状を皮肉った「Love Letter」を始め、ともすれば暑苦しくなりがちなメッセージをあくまでコミカルな視点で投げかけるのもArare流の表現法だろう。イイ塩梅の脱力感で“低速フロウ”を貫く唱法も然り。「Ya-Lowにリクエストしてわざわざ作ってもらった」という“ハイ・ファッション”“アンサー”を始め、全体的にクラシック・リディムが多いことに関して「オケ(だけ)はベタベタなお手本が好きだった」という理由もあるようだが、「その方が乗せやすいから」というのも納得。現在20歳にして、この異彩。「自分を曲げずにトップをとりたい」と揺るぎないラガ魂を掲げる“アラレ・ワールド”を堪能あれ。

 
「ひとりあそび Vol.0」
Arare

[P-Vine / PCD-4383]

 
 最後は「曲はもちろんフィーチャリング・アーティスト、ジャケ、タイトルともに自分の趣味全開で押しきりました」と断言するHibikillaのセカンド・アルバム『濃厚民族』。客演陣もChop Stick、Tonto Man、Jumbo Maatch、Domino Kat、Tomo、Chehon、Everton Blender(!)というまさに“濃厚”な面々だ。「時事ネタだったりレペゼンネタだったり、夏の風物詩ネタだったりを表現するフィルターとしてスポーツが最適だった」というプロレス、野球、サーフィンなどを始め、食、恋愛、音楽など(書ききれないほど)多彩なトピックにおいては「ヴァラエティに富んだヒビキラー色を出せた」と本人も語っているが、それも“どんなテーマも料理可能”な鋭い洞察力を持つ彼だからこその証だろう。また、ダンスホール・オケでのハードコアなDJスタイルは言わずもがな、“Truly”リディムの「My Number One」で聞かせるメロディアスなフロウ、淡々とした歌い回しが最高にクールな「Hotel Jamaica」など、テンション/声質を自在に操るマイク捌きもさらにネクスト・レヴェルへ突入した様子。「誰にも真似の出来ないオリジナルスタイルを持つこと」にこだわり続け「今後もKinkyであり、Rebel Musicであり、Redemption Songであり、Positive Vibrationを感じる一本筋の通ったレゲエを作って行きたい」と語る“北の大地が生んだ最終兵器”の“今”を噛み締めて頂きたい。

 
「濃厚民族」
Hibikilla

[Pony Canyon / PCCA-02477]


 

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