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Mighty Crown
The Real Champion Sound
 
Interview by Toshiaki Ohba & Midori Aida / Photo by Hiroto Sakaguchi
 

2007年には「横浜レゲエ祭」を再び横浜スタジアムにて開催し3万人を動員、さらにジャマイカで開催された「ワールド・クラッシュ」でも念願だったトロフィーを奪取と増々加速を増しているMighty Crown。実績、実力共に世界No.1と誰もが認める彼らにこの一年間を振り返ってもらった。きっとその言葉ひとつひとつに未来のレゲエ・シーンが垣間見えるだろう。
 
●2006年は結成15周年という事もあって「横浜レゲエ祭」を横浜スタジアムに移動/拡大したりと非常にモティヴェーションの高い年だったと思うのですが、2007年は正直、そこまでモティヴェーションを上げる事は難しかったと思いますが、実際、実り多き年だったと思います。“The Rebirth”とういうテーマを掲げ“原点回帰”した一年を振り返ってみるとどうでしたか?
Masta Simon:15周年でスタジアムっていうあんなデカイことをやっちゃって、お客の期待もそうだけど、自分達に対しても「じゃあ、次は何がどう出来んだ、Mighty Crownは?」っていうのがあって…。そこに“Rebirth”=“初心に戻る”ってのがピッタリ合った。つまり15周年が終わってそこから振り出しに戻ってって感じで。
Sami-T:07年は正に“Rebirth”って年だったんじゃないですかね。選曲にしてもそうだったし。まぁ常に進化はしていかないといけないし、最先端でいなきゃいけないけど、やっぱり自分が来た所を忘れないっていう気持ちでやってきたんじゃないかな。
Cojie:自分らのハマった時代70年、80年、90年のレゲエを伝えたいっていうのもあるし、それも“Rebirth”の一つだと思う。そこら辺の年代の曲って多分、今の子達は知らないだろうし。あとはCrownの幅広さも見せていきたいし。
 
●モティヴェーションをキープできた他の理由と言えば?
Sami-T:ファンの人達だね。
Masta Simon:日本だけじゃなく、世界にいるファン。ヨーロッパやカリブの島々の人達だったり。
Sami-T:オレら日本やジャマイカ以外の国でもファンが多いんだけど、そうしたジャマイカ以外の国でレゲエをやってる連中から「勇気を与えてくれた」「ゲートを開いてくれた」って言われたりね。そういう言葉に逆にこっちが勇気づけられるんだ。昔、ブルックリンのガキンチョにサイン頼まれて、「おまえ小学生だろ、Mighty Crown知ってんの〜!」みたいな。そういうのも凄いアガる。
Masta Simon:地味な話だけど、一番目の前にあるイヴェントとかに一つ一つ目標を作ってきっちりこなしていく事でキープしてるのかな。
Sami-T:あとはMighty Crown Familyだね。周りが褒めててもオレらはお互いに対して厳しいから。凄く指摘し合って、ムカついたりしてるし(笑)。でもそれが愛だと思うし。
Masta Simon:愛とムチだね。でもムチばっかりになっちゃったりして(笑)。
 
●“Rebirth”というテーマを掲げたこの1年間で、結果、得たものは?
Super-G:自分自身、初心というものに気付かされるっていうか、自分を考えさせる良いきっかけだったと思います。
Masta Simon:凄い得たものがあるかな。正直オレらは昨年を越えたと思う。結果でも、気持ちでも。
 
●それはクラッシュに挑んでる間も含めてですか?
Masta Simon:そうだね。ジャマイカのクラッシュにも毎年出ているけど、中々勝てなかった。でも、今年は勝てた。その後もNYの「World Clash 2007 Game Over」でも勝てた。それはオレらが“Rebirth”に基づいて行動してたから勝てたのかもしれない。気持ち一つで変わるんだなと。勿論、“Rebirth”って今年だけのテーマじゃない、永遠のテーマでもあるんだ。
Sami-T:オレは、トロフィーを3つ得ましたね。「Jamaica World Clash」と「Antigua (Full Clip)」のクラッシュと「Game Over」と。他にも色々あったけど。やっぱレゲエは基本がジャマイカから来ている音楽だから、オレはそこを崩したくはない。昔、オレがレゲエにハマった頃、言葉じゃなくてビートやヴァイブスやフィーリングだけでグッと来てたあの頃の気持ちを伝えなきゃって気持ちが強かったかな。それによって精神が強化できたんじゃないかな。
Cojie:目に見える収穫ではないけど、“Rebirth”って事を考える事自体が収穫に繋がったかなと。その結果が自分の中で小さな革命を起こしていこうという事になったんだよね。
 
●実際のところ、海外から見た日本のレゲエ・シーンってどう映ってるの?
Masta Simon:海外から見たら99年以前の日本なんてはっきり言ってレゲエ・アーティストもサウンドもいないと思われていた。せいぜいDJのRankinTaxi, Ackee & SaltfishとNahkiだけ。99年に俺らが優勝した事によって初めて日本のサウンドの存在を知ってもらった。それも流行程度に思われていて2001年位までは全然認められなかったね。でも新港埠頭でやった2万人の「レゲエ祭」の時に初めてジャマイカからRETVを連れてきたんだけど、その模様がジャマイカで流れた事によって見方も反応も明らかに変わったな。
Sami-T:あの人数が全員タオルを回すんだからね、一体感が凄いよ。
 
●今年もBeenie Manの時は凄かったですね。
Masta Simon:Beenie Manもビックリしたみたい。終わった後も自分の「レゲエ祭」のヴィデオばっか観てたし(笑)。
 
● じゃあMighty Crownから見た日本のシーンは?
Sami-T:海外では皆、“観る”ってより“聴く”んだよね。でも日本はまだ“観る”って感じで。勿論、それは嬉しいんだけど、でもやっぱ音を聴いて欲しいんだよね。そこを崩していきたいなって。
Super-G:そうだね、日本はMCで煽らないと盛り上がらないって傾向があるね。
Masta Simon:今、日本のレゲエ・シーンは確実に大きくなってきているからそれは良い事なんだけど、今後はもっと内容をガッチリしていく事が課題かな。元々ジャマイカから来た音楽だから、ジャマイカがあってのオレらだし、ジャマイカがあっての日本のレゲエ・シーン。そこを忘れちゃいけないと思う。オレらは架け橋って役割で。
 
●日本のレゲエ・アーティスト対して、次のステップとして、何を、どう期待しますか? 
Masta Simon:アーティストに対しては、ダンスホールというかレゲエのスタイルで軸をずらさないで売れて欲しい。歌謡曲みたいにしてそれをレゲエっぽくするんじゃなくて、自分達のスタイルを貫いてそれで興味を持ってもらえるように…そこんとこが大きな期待だな。
Sami-T:今はお手本もあるし、最近始めた人だって凄く上手い。でも、ジャマイカをトップと考えれば当然そこまでは行ってないんだから、「やっぱまだまだだ」っていう気持ちを忘れないで欲しい。そして言葉の問題も乗り越えて日本からインターナショナルに活躍して欲しいね。
 
●サウンドに対しては? 今みんなダブを録りに行ったりしてますけど。
Masta Simon:オレらはクラッシュ・サウンドとしてダブを録って優勝もして、世界でやらせてもらってるけど、45(7"シングル盤)で盛り上げられないのにダブばっかり録ってもどうなの?って思うんだよね。ちゃんと両立できて初めて価値が出るっていうか。
Sami-T:やっぱダブを録るからにはプレイする機会がないとただの無駄使いだと思うし、一曲にバカみたいな金額払ってんの、日本人だけだと思う。だから他の国のヤツらに「なんでお前ら日本人はそんな金額払っちゃうんだ、だから相場が上がるんだ!」って言われるんだよ。
Masta Simon:だから日本=Mighty Crown、「全部お前らの責任だ」って言われんだよね…。
Sami-T:ダブってそれぞれ価値もあるし、相場って難しいし、基準も分かんないだろうけど。でもオレだったらそんなに払わない。バカみたいな金額を言われたら「いらない、さよなら」だよ。
Cojie:Sound System Associationを作んなきゃだね。
Sami-T:ホントそういうのやりたいんだよね。あと「どうやったらMightyみたいになれるんですか?」ってオレらに聞くんじゃなくて「お前らの音を楽しめよ」って。あと「とにかく掘りまくれ」って言いたい。フィーリングも込めてプレイして欲しい。
Masta Simon:人それぞれスタンスも違うし、ビジネスとしてやってる人もいるだろうけど、それはそれで良いと思う。まあビジネスしか見てない連中はちょっと微妙な気もするけど。でも、その中で各自がちゃんと目標持ってやればいいんじゃないか。
 
●リスナーに対しては?
Sami-T:観に来るんじゃなくてとにかく聴きに来て。写メ撮るより聴いてくれ(笑)。
Masta Simon:俺は逆に来てくれるだけで感謝。で、来てくれたら楽しませるから。それで「どうしたらまたリピートして来てくれるだろう?」って考えるしね。好きになってくれたら追求して欲しいですね。
Sami-T:お客が50人とか100人から始めてからそのスタンスはずっと変わらないよね。とにかく内容を重視してるんだ。
●2008年、次なるたくらみは?
Masta Simon:“Rebirth”っていうのは忘れずに、ハイヤー・レヴェルっていうかネクスト・レヴェルを目指す。オレ的には超スーパー・ウルトラ・サイヤ人を目指して“無敵のサウンド軍団”みたいな(笑)。こんだけカップを取ってもまた次も取り続けて。
Sami-T:「World Clash」の3ラウンドの時みたいな格好を流行らせたいですね(笑)。
Cojie:自分がいいと思った音楽を広めたい。レゲエって奥深い音楽だからダンスホール以外にも興味を持ってもらえるようにしたい。
Super-G:自分に厳しくいきます。
 
●2008年は07年以上にガンガン歌っていくんですか?
Masta Simon:オレは一曲しかやってないからね。
Sami-T:オレはアルバムに向けて…って、うそうそ。
●ジャマイカで日本人初のヒットメイカーになれるかもしれないじゃないですか。
Sami-T:「誰もやんねえならオレらがやる!」ってね(笑)。まぁ、それもありっちゃありだけど。でも、やっぱオレは現場を重視するし、現場が好きだし、そこから来てるから。その日にしか味わえないヴァイブスってのがあるから、皆さんには現場に足を運んで欲しいですね。
 
 
 
■EVENT
"Back To The Hardcore -Year Of The Mouse-"
Mighty Jam Rock
1月26日(土)
[会場]Yokohama Bay Hall
[Open/Start]24:00
[チケット]前売り¥2500(税込)
[問]Bay Hall/045-624-3900
[HP]www.mightycrown.com

[Victor / VICL-62012]


■DVD
"Death Before Dishonor 7- World Clash Jamaica 07"

(Mighty Crown / ICDV-004)

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