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305    ARTISTS    MICKY RICH

MICKY RICH
SOUL SURVIVOR
  
Interview by Dankichi Tobiguruma / Photo by iGa-c
 

東京下町から最新型ダンスホール・レゲエを発信し続けるSing Jay、Micky Rich。前作から1年振りのこのセカンド・アルバム『Soul Survivor』は“本能”と“本当”をテーマにその変わらぬスタンスと磨きをかけたスキルで己の意思表示をハッキリとさせている。
 
 常に最新の音を求めるMicky Rich。ヒット・チューン「Wine Yeah」は全国のサウンド・システムからはもちろん、駅前にたむろする若者のカーステから爆音で聞いたものだ。そのMicky Richのソロで2作目となるアルバム、『Soul Survivor』が完成。今回もキレキレで“ド”がつく程のダンスホール・レゲエ。本人にアルバムについて語ってもらった。
 
●今回も独特のMicky Rich節炸裂で期待を裏切らない内容ですね。まずアルバムのテーマを聞かせて下さい。
Micky Rich(以下M):今回は野性的な曲、人間の本能的な曲を集めようとしたんですよ。当初は『Get Wild』ってアルバム・タイトルにしようと思ってたんですが、人間的に生きていくのに必要なモノとかリアルで生々しい本当のことも考えていたら“本能”と“本当”という2つの言葉をテーマにしようと思いました。
 
●まず1曲目ですが、偶然にもPushimの「Forever」をプロデュースしたTancoさんとの曲でタイトルも「Forever」。ストレートな男のラヴ・ソングでグッときますね。
M:もともとラヴ・ソングを作ろうと思ってて、打ち込みでも良いと思ってたのですが、以前Tancoさんとまた曲をやろうって話してたの思い出してお願いしました。結果、バンドでやることで凄く豪華になり、リリックも俺の得意なストレートな感じになりました。
 
●2曲目「Get Wild」はディスコ調のダンスホール・リディムでまさにMicky Richって曲ですね。
M:ちょうどココ1年ぐらい80年代っぽい音が多いなと思ってたので、その波に乗ってみました(笑)
 
●これはまさに“本能”の部分ですね。
M:まぁ、そうですね。本能の一番突き進んでいる部分はダンスホールだと。やっぱりダンスホールは踊るし本能のまま楽しむという。これはダンス・クレイジーな方々に捧げてます。
 
●「Dance Time Again」(feat. Ken-U & Soh Badly)ですが、タイトルだけ見ると「踊れJAPAN Pt.3」かと思っちゃいましたよ。
M:実は「踊れJAPAN Pt.3」も最初にできてたんですけど、ダンスって流行り廃りが早いじゃないですか、で、時期的にちょっと無理かなと思いお蔵入りしたんです。とにかくこの曲は踊って下さい!
 
●「Soul Survivor」、これは現在のシーンに対しての警告?
M:音楽の幅とかは変化しても良いし、レゲエなんか特に吸収する音楽だから他所の良い所を取り入れて自分達の音楽にするのは良いと思う。でも今までやってきた俺らのダンスホール・レゲエっていうスタイルで気持ちもスタンスもぶれないっていうのじゃないと駄目じゃねーのかなと。
 
●曲中のリリックにも出てくる「名前は売れても中身スカスカ」っていう所でグッときちゃました。
M:ジャパニーズ・レゲエの世界が広がったのは良いんだけど、結局根本の部分が変わってきちゃったり、全然違うモノやってレゲエですっていうのも変な話しじゃないかなと思うんですよ。ま、コレは堅い曲ですけどアンセムって感じで。
 
●その次の「稼ごうぜ」ですが、成り上がり的で気持ち良いね。
M:この音楽でお金を稼ぐのに誇りを持っているんで、ジャンジャン稼ぎますかって歌。やっぱレゲエってその根底に貧困層の人達の音楽だと思うし。俺の家も金持ちじゃないから自分でメイク・マネーしていかないと。
 
●次の「吸息時間」ですが、ヘルシャ・ビーチあたりでの休息=吸息という前作の「マリアンナ」に続くチューンですね。
M:マリアンナとゆっくりしたいなと思いまして。仕事した後は遠出して休む時間も必要だと。仕事して稼いでそして遊ぶ。トラックはYotaで、コーラスには有坂美香さんにやってもらってReggae Disco Rockersフレイヴァーな曲です。
 
●「Ghetto Super Star」(feat. Domino-Kat)は?
M:休息した後は攻める感じで。実はDominoとコンビでまともに録音した曲ってのは初なんですよ! 俺達のレーベルも体制固まってきたし作ろうかなと。まずはダウンタウンからゲットー・ユース達が出てきたぞっていう掛け合いの曲。
 
●「Perfect Lady」(feat. Ken-U)はまたいやらしいお姉ちゃんチューンですね。
M:パーフェクト・レイディなんている訳ないんすよ(笑)。でもやっぱり俺にとって、Ken-Uにとってどんな女をパーフェクトに思うかって。可愛い女の子達がケツ振ってくれたら嬉しいなっていう曲。
 
●で、お姉ちゃんチューンの次にまたお姉ちゃんチューンで「よそ見!注意!」ですが、いきなり2枚目でツボ押さえてますね。
M:くだらないんすけど、本能的に男って可愛い女の子がいたら見ちゃうんですよね。これは素直に女の子Big Upな曲です。
 
●Suku(Ward21)のトラックでのワイニー・チューン「Guri Guri」はまたハードですね。
M:これは僕の中で「Wine Yeah」「Magnet」「くねろう」に続くワイニー・チューン4作目です。前回のアルバムが終わって次は絶対Sukuと作りたいと思いアポ無しでジャマイカのスタジオに行ったら偶然会えて、セッションしながらトラックから作りました。ガイダンスでしたね。
 
●「Do U Remember」(feat. Bigga Raiji)ですが、ライジとは昔から知り合いなの?
M:長いですね。昔、俺がRacy BulletでMCやってる時に既にライジ君は現場で歌ってました。前回のアルバムで実はライジ君とやろうと思ったんだけど、ライジ君が忙しくて無理で今回やっとできました。内容的には2人の個人的な昔話で実話を一つにまとめた感じです。
 
●最後の曲ですが、「生きて」。これも泣けるポジティヴ・チューンですね。
M:誰だって死にたくないだろうし、死は誰にでも訪れるものだし、生きていることを実感して生きていくぞって。ここ最近、友達やアーティストを何人か亡くしてて、あんたの分も俺は生きるよって。そういうことが起きてしまった時だから思ったことを歌おうかなと思って。
 
 今回のインタビューで彼のどんなに世界が変わろうと魂を売らずこの現場の最前線にいるぞという強い意思表示が伝わってきた。多種多様となったシーンの中でも彼のリアルな歌を聞いたら耳が痛い同業者のマイク持ちもいるハズ。とにかく彼は大切なモノは絶対に譲らないというそのスタンスで誰よりも勝ち上がって欲しいと願う歌い手の1人だ。ということで“本能”で『Soul Survivor』を感じて“本当”を分かって欲しいと思う。


 

"Soul Survivor"
Micky Rich
[Rhythm Of Da Seasons / DODS-0007]

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