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RICHIE SPICE
GIDEON BOOTS
  
Interview by Minako Ikeshiro / Photo by Martei Korley
 

 ジャマイカの正義の味方、リッチー・スパイスの4作目『Gideon Boots』は、なんとボビー・デジタルとガッツリ組んだ意欲作。所属していたフィフス・エレメントからの離脱が新聞の見出しに踊った数日後にNYで対面してきた。
 
●調子はいかがですか?
Richie Spice(以下R):いいね。毎日、自分のライフに感謝を捧げているよ。
 
●最新作で2曲を覗いてボビー・デジタルに任せた理由は?
R:彼がずっと長くいる本物のプロだからだよ。彼は歌い出した時からの付き合いなんだ。レコーディングをした二人目のプロデューサーだった。その時、俺は無名だったから半日くらいスタジオでじっと待っていて、何とかレコーディングにこぎつけたんだ。
 
●アルバムの制作期間は?
R:一番古い「Hang On」は99年の頭に作った曲だから、そこから計算するとずいぶんかかったことになるね(笑)。
 
●ボビー・デジタルと作った曲がまとまった数になったからアルバムにしたのですか? それとも最初からアルバムを作るつもりで取りかかったのでしょうか?
R:2000年くらいに俺から一緒にアルバムを作る話を持ちかけたんだけど、その時は彼の方が乗り気じゃなくて、「アルバムは早いんじゃないか」って言われた。とりあえず、レコーディングを曲単位で続けて、それががいい数まで貯まったからアルバムに出来るように3、4曲作って仕上げたんだ。
 
●タイトルになっている“Gideon Boots”の意味を教えてください。
R:“ギデオン”は象徴的に使っていて、今はガイダンスとプロテクションが必要な大変な時代だから、自分自身がしっかりしろ、という意味を込めた。若い世代に向かって、真実のために立ち上がれ、靴ひもをきちんと締めて、ベルトをしてちゃんとして用意しろってね。ユースをきちんと育てることが最大の投資だと俺は思っているんだ。
 
●「Lets' Go」でドイツのジェントルマンをフィーチャーした経緯は?
R:彼はコンシャスな、俺に近い音楽をやっているアーティストだ。作業をしている時にたまたま彼が顔を出して、自分のパートを入れたいと言い出した。45分くらいで自分のパートを終わらせたんじゃないかな。
 
●彼みたいな存在はジャマイカで受け入れられづらいと思いますか?
R:さぁ…そんなことないと思うけど。肌の色に関係なく、彼はいいアーティストだ。だから、俺は応援するつもりで一緒に曲を作る。それだけだよ。
 
●アリフ・クーパーが作った「The World Is A Cycle」もヒットしましたね。あの曲に込めたメッセージは?
R:自分たちがしている間違った行為は、自分には跳ね返ってこないかも知れないけど、次の世代がツケを払わないといけなくなるから気をつけろ、と歌っているんだ。家族や周りの人に跳ね返ることだってあるし。
 
●あなたは一貫したメッセージを持っている人ですが、トピックとして目新しいものはありますか?
R:「The Plane Land」は日常的なテーマを取り上げつつ、政治的なメッセージも含んでいる。「Getting Harder」は個人的に好きな曲だ。大変なときこそ、一人一人がしっかりして力を合わせて行こう、というメッセージを込めた。「Wrap Up A Draw」はハーブについての曲。採り過ぎは良くないけれど、いろんな目的に使えるし、正しく使えばいい物だということを伝えている。
 
●リリックのインスピレーションの源は何でしょう?
R:CNNやディスカヴァリー・チャンネル、アニマル・プラネットといったチャンネルを見たり、それからほかの人々をじっと観たりしているね。俺は観察するタイプの人間だから。
 
●ケン・ブースの「Hang On」をリメイクした理由は?
R:元曲のトラックのグルーヴが好きだったから、俺なりにスパイスを加えてみた(笑)。あの時代の音楽は、楽器を使用したリディムが多いからやっぱり好きなんだよね。
 
●今、ジャマイカのラジオでよくかかっているのはどの曲?
R:「The Plane Land」だね。「The World Is A Cycle」もまだカリブ海地域でまだ強いね。次に推すのは「Wrap Up A Draw」だよ。
 
●「The World Is A Cycle」はGuardian Angelのリディムですよね? 曲を作る際、同じリディムのほかの曲は意識しますか?
R:いや、影響されないようにレコーディングが終わるまでなるべく耳に入れないようにしている。トラックだけ聴いてメディテーションをしながら自然にアイディアが浮かぶのを待つ。終わったら、もちろん聴くよ。まぁ、あのリディムでは俺の曲が一番のヒットだったけれど(笑)。
 
●このアルバムからフィフス・エレメント・レコーズの名前が入っていません。離脱した理由は何でしょう?
R:自立して前に進む時期が来たってことだね。あのレーベルではとても良い経験をしたとは思っている。
 
●ジャマイカの新聞の見出しになったのは3日前ですが、いつから具体化したのですか?
R:数ヶ月前から決まっていたんだけど、きちんと発表できる段階になったのが先日なんだ。子供が親の元から巣立つようなもので、これからもファミリーであることには変わりない。これからはスパナ・バナーと弟のスナッチャ・ライオンと一緒にボナー・コーナーストーン・ミュージックでやって行くよ。
 
●夏の予定は?
R:フェスの季節だから、忙しくなるだろうね。あと、去年、ヨーロッパ・ツアーが頓挫したのが、プロモーターの不手際が原因なのに、俺のせいにされたままになっているから、それを調整しないと。俺はドタキャンするようなアーティストじゃない。ツアーをちゃんとやることで印象を正すつもりだ。
 
●そういえば、うさぎの飼育は順調ですか?。
R:順調過ぎるくらいだよ(笑)。うさぎはものすごい勢いで殖えるから、ペットショップに引き取ってもらっている。あと、ガチョウと羊も飼っている。羊は8匹くらいいるのかな。家庭菜園もどんどん大きくなっているんだ。自然の恵みを直に感じられるからいいよね。ごくたまに、俺も野菜の面倒を見ているよ。

 

"Gideon Boot"
Richie Spice
[VP / Digital-B / VPCD1809]

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