""Live Red with One Umbrella""
Text by Reiko NAGASE SMITH
ウサイン・ボルトが、ジャマイカで流行ってる最新のダンスを、北京オリンピック会場で堂々披露。陸上男子100m決勝ではOvamarのダンス「Nuh Linga」、そして男子200m決勝ではアイスのダンス「Gully Creepa」と、シェリー・ベリーの「Nineties Rock」を。
「Nuh Linga」「Gully Creepa」ともにそれらチューンの歌い手エレファント・マンは、いち早く、Nuh Lingaのボルト・ヴァージョン「Usain Bolt Nuh Linga」をリリース。
Jamaica, Jamaica, Sweep! メダルをかっさらえー。
Di fastest runner come from a we acre 世界最速男は俺らが島からでた男。
Nuh Linga, Nuh Linga, Sweeeep!
ジャマイカの新しいヒーロー、ボルトは、歓びをダンスで表現する典型的ヤードマン。
ボルトが踊ったダンスをクリエイトしたアイスとしては、こんな国際的な場で、ジャマイカ独自のカルチャー・シーンを見れるなんてすっごい嬉しい。ボルトがWinning Dance=勝利の舞に、オレが創ったダンスを選んでくれたなんて光栄すぎ。
のちにアイスは「Gully Bolt」ってダンスをつくっちゃった。ボルトに感謝の気持ちをこめて、ボルトのためにつくったダンスは、ボルトの稲妻サインと、ボルトの走り方の真似と、オリンピック協会や外国メディアの物議をかもした例の、胸を叩く動作を取り入れて。
ボルトが北京オリンピックで見せた「ガリ・クリーパ」は、動きが微妙にまちがってるから、ボクが直してあげるんだ、とのご指摘つき。
アイスだけじゃなくて、タイムレス・ダンサーズのタヅも、ボルトのためにダンスをつくった。その名も「ライトニング・ボルト」。オリンピック会場で踊るボルトをテレビで見て、ボルト・ダンスがまだないってことに気づいたんだ。ボルトには彼自身のオリジナル・ダンスが必要だろ。
まず、低い位置で手を回す動作をして、ほかの走者を煽るんだ。それから右手で自分の胸を叩いて、そして左手でも叩く。手をかかげて想像上のスコアボードをさすんだ。それから、ボルトがレースの直前にした、両手で髪をかきあげるしぐさの真似をする。この新しいダンスの反応はなかなかのものだぜ、と、タヅは言う。
オリンピックで活躍したジャマイカの陸上選手を讃えるチューンはつづく。
オリンピック栄華のあと、島にトロピカル・ストームが吹き荒れ死者も出て、被害が続出する。新学期がはじまって、雨つづきでちょっと下がってたジャマイカだけど。
「ボルトの速さの秘訣はずばり、ヤムいもさ」と答えたパパ・ボルト(ボルトの父)のインタビューで、一躍有名となったボルト出身地区トレロウニーの名産ヤムいも。ジャマイカのイメージ・アップであがる観光業。発展基金も得てジャマイカ明るい見通し。
9月の第一週にボルトがオリンピック後初めてのジャマイカ凱旋。空港にはたくさんの人たちがお出迎え。ホテルでの記者会見にわれらがヒーロー、ボルトを一目見ようとジャメーカン・カラーを身につけた群集が押し寄せ大騒ぎ。大臣が人々をなだめてようやく騒ぎはおさまる。
ジャマイカに帰ってきたことがすごく嬉しい、とボルトの素直な感想。
素顔はダンスホールがライフスタイルの一、ヤードマン。パーティー好きのボルトのために、島ではありとあらゆるボルト歓迎のイベントが予定されてます。Lightning!
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