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Tokyo's Mighty Sounds
Spicy Chocolate / Blast Star
 
90年代半ばより東京発のレゲエ・サウンドに拘り続けてきたSpicy Chocolate。そして現在は東京に拠点を置きながらも第二の故郷であるマイアミのコネクションも絶やさないBlast Star。この東京を代表する新旧2サウンドから、それぞれのプロデュース・アルバムが到着。
 
Interview by Kazumi Kamada
 
昨年にリリースされ大きな話題になった『東京Ragga Blaze』の第2弾がゲリラ的なプロモーションと相まって巷で話題になっている。プロデュースは94年に結成し東京のシーンを牽引してきたベテラン・サウンド、Spicy ChocolateのControlerによるもので、「メッセージ」「ハードコア」「ダンス」の3つのコンセプトからなるオリジナルのリディムで構成された3ウェイ・アルバムに、ジャパニーズ・アーティストの人気チューンから厳選したミックスCDを添付した豪華作品。本作の首謀者、Controlerに話を聞いた。

●ラガ勢、ヒップホップ勢ともに、参加したメンツや組み合せにSpicy Chocolateならではの人脈を感じます。
Controler(以下C): タイトル通りやっぱり東京をレペゼンしたいってのがあって、昔から付き合いのあるみんなに頼んだんだ。
 
●実際はどんな風に作業を進めていくのですか?
C: それぞれのアーティストと遊びながら作って行く感じだね。D.OとBoxer Kidなんかは一体ドコまで付き合わせるんだよってくらいタフな遊び方をさせられたり、Rino(Latina II)なんかは朝までどっぷりと酒を飲んだりしてね(笑)。そうやってとことん付き合ってお互いの距離を縮めつつやっとテーマを決めて作り上げて行くんだ。
 
●トラックにしてもリリックにしてもどれも現場に対するこだわりが強いですね。
C: そうだね、大きいフェスだったら、みんな祭りとして観に来ている訳だから当然盛り上がるだろうけど、実際クラブでは?って考えるとどうかな?って思うんだよね。例えばジャマイカのヒット曲ならリリックが分らなくても「流行っているから」って事で盛り上がるけど、日本人の曲で現場で盛り上がる曲って実際のところ中々無いんだよね。だからもっと現場でかかって盛り上げられるようなものを作りたくってね。実際は難しいんだけど、ずっと闘いながら考えてるんだ。1作目で勉強させてもらって、今回も勉強させてもらって、そして次へ、ってみんなとスキル・アップして行きたいね。
 
●この先の展開というと?
C: とりあえずリリース・パーティがあるけど(10/10@渋谷axxcis)、作品としては『東京Ragga Blaze』の"外伝"を考えているんだ。具体的には言えないこともあるけど、ひとつ例を出せば、Ken-Uの「この道を」って曲が入ってるだろ? コレ、彼がスッゲー苦労して作った曲でね、実際良い曲に仕上がったんだ。自分なりにアイツに応えてやりたくてね、例えばヒップホップのミックスとか、ちょっと変わった事をやろうかなって。あとは年末に向けては「Dancehall Queenコンテスト」が控えている。『東京Ragga Blaze』はそこで勝ち上がった娘をジャケに使っているんだよ。ダンサーもこうやってフック・アップして盛り上げていかないとね。結局のところ全て現場にこだわっているからこそ始まっているアイデアなんだけどね。
 
今回、Controlerに話を聞かせてもらい改めて彼らの現場へのこだわりの強さを確認できた。実際、彼らが現場で警察などを始め様々な問題に対して闘っているという話を聞いていると、現場への想いが『東京Ragga Blaze 2』として形となったことがよく分る。東京のレゲエ・シーンの現在を体感できると同時に未来の東京のシーンを感じさせてくれる内容にもなっているので、彼らの熱い現場共々ぜひチェックを。
 

"Spicy Chocolate Presents 東京Ragga Blaze 2"
V.A.
[P-Vine Special / BSCP-30113]



 
Interview by Natsuki Toi
 
96年にKaz Fireと共にBlast Star結成。マイアミ、ハリウッド、フォートローダーデイルといえばフロリダのレゲエ・コミュニティが最も熱いエリアだが、なぜジャマイカではなくマイアミに?
 
「パトワも大事だけどまずは英語かな、と。日本人が少ないのと、パーティ・シーンがジャマイカやNYに比べてすごく日本に近いと思ったんですよね」
 
「初めは確かな情報もツテないから、レンタカーを走らせ店に入っては色々聞いたり、黒人を見かけては話しかけたり、でもそれがハイチ人だったり(笑) 、近道はなかったですね」
 
地道にリンクを増やして現地のレゲエ・シーンに食い込んでいき、次第にラジオに出演したり、コンスタントにダンスにも呼ばれるようになっていった。「それもやっぱりパトワ使って喋る(MC)ようになってから。廻しているだけの時は全然でしたけど」
 
そしてついに訪れたビッグ・チャンスは、なんと日本帰国が決定したその直前。世界的なプロモーターIrish&Chinに仕事を依頼したところ、来た話がたまたまワールド・クラッシュだったとか。もともとジョグリン・サウンドの彼ら、勝つ自信はなかったというものの結果はなんと、優勝。「かましてやろう、とは思ってたからそういう意味では狙い通りだった」と、5年間の成果を抜群のタイミングで証明した事になる。 
 
しかし帰国後はしばらくクラッシュの話は聞かないけれど...? 「いや、いつでも受けますよ。そろそろ日本のクラッシュも熱くなってきてるし、ダブもだいぶ録り貯めてるから来年中には一度勝って、そこら辺もクリアにしておこうなと(笑)。海外はその後かな」とクラッシュへも遂に(?!)Readyのようだ。
 
渡米前と一躍名を上げての凱旋帰国後で、余りにも変化した日本のレゲエ・シーンに浦島太郎状態だったというAri-T。「もう、ただビックリして一人で変なVibesだったよね(笑)。でも(ダンスできる)場所が沢山あるのは単純に嬉しい」とまずは全国でダンスの現場をつかんできた彼らが、2作目となるプロデュース・アルバムを着手した、その真意は?
 
「やっぱりレゲエは"Rebel Music"だから、"伝えたい"という欲求が強くて。たった1曲で何かが変わる訳じゃないけど、色んな人が色んな曲を作ってメッセージを伝えていく事によって束になって、いつかは!という思いもあるしね。あとはいずれ自分でRiddim Track を作りたいし、それを目の前で勉強できる絶好のチャンスというのも大きいですね」
 
本作の骨子となるTrack Maker怒涛の三本柱はSupa Dups、Skatta、Stephen McGregor。Diwali×Sacrifice×Dupps Remix的な"Ocean Drive"では「イマ一番の注目株でしょ」というChristopher Martinがスウィート・ヴォイスで幕開け。Skatta制作はやっぱり彼らしい踊れてしかもちょっと懐かしめのオケ"Do Some"。これにAnthony Bのレアなパーティ・チューンやHibikillaの「Stamina Anthem」。しかし何といっても本作にインパクトを与えているのが、お得意の不穏なビート・ラインを刻むStephen McGregor制作"So Sick"での若手イチの実力派Mison-BとArm Strongのコンビネーション「What Are You Gonna Do?」だ。この曲以外、ほぼパーティ・ネタの中で一際そのメッセージが光っているようですが...? 「でしょ? このオケでは初めから社会ネタを録ろうと決めてたから、そう思ってくれたなら良かった」
 
「基本的にはダンスに行く前のアゲアゲな感じで楽しんでもらえたらいいですね」という本作。1曲1曲に彼なりのメッセージが篭っているようだが、「まだ完璧に伝え切れてない」とチラリと溢していたAri-T。世界を見てきた男たちの今後の発信にも、ぜひ注目したい。
  

"Blast Star Produce Miami Shine -Uprising-"
V.A.
[BMG / BVCR-17070]

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