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WAYNE WONDER in Japan 2008
 
Interview by Koji Yawata / Photo by Takeshi Narita
 

本誌読者には説明不要のビッグ・シンガーのウェイン・ワンダーが今夏に来日した。人気ウエア・ブランドのネスタによる招聘で、各地のクラブ/野外フェスに出演し、その変わらない美声と数多くのヒット曲で世代を超えた多くのファンを魅了した。そのウェイン・ワンダーを宿泊先に訪ね、改めて長年シーンの最前線で活躍し続けきたそのキャリアを振り返ってもらうことにした。少し疲れていた様子だったが、ベッドに腰を掛けて、小さな声で、しかし雄弁に話をしてくれた。
 
 うん、大きな転機となったのはPenthouseからだね。89年だね。いや、もともと(Penthouseのプロデューサーの)ドノヴァン・ジャーメインのことは直接は知らなかった。ただ、(当時Penthouseでエンジニアをしていた)デイヴ・ケリーとは小学校時代からの友達で、彼に誘われたのがきっかけだったんだ。だから、いつもデイヴとレコーディングしていたし、ジャーメインとはPenthouseからリリースを開始してしばらくするまでは直接会ったことも無かったんだよ。
 
 確かにブジュ・バントンとの「Bonafide Love」とか幾つかのコンビネーションは、自分を有名にするのに大きく貢献していると思うよ。ただ、忘れてほしくないのは、ブジュがPenthouseに来たのは91年のことで、自分はそれ以前に「Saddest Day」とかヒットを出していたということ。あと、確かに「Fast Car」「Anything For You」とかのカヴァー・ヒットも自分のキャリアには大きく貢献しているけど、「Saddest Day」もそうだけど、「Bashment Girl」や「Live And Learn」とかオリジナル曲でもヒットが多いということも忘れて欲しくないんだ。
 
 ジャーメインもそうだったけど、多くのプロデューサーはシンガーにカヴァーを歌いたがらせる。新人を売り出すのには有効な手段でもあることは認めるけど、多くの場合は、それが単に楽な方法だからなんだ。金も時間も掛からないからね。ただ、自分はいつもオリジナルを重視してきたし、キング・タビーとした初めてのレコーディングもオリジナルだった(85年の「Long And Lasting Love」)。最初から自分のオリジナルには自信があったし、そうした自分のクリエイティヴィティを無視されたりすることが嫌になって、93年以降はカヴァーを歌っていない。一部の自分の納得したものを除いては、それ以来、現在までもカヴァーはやっていない。
 
 うん、あの時にPenthouseを離れたのは自分だけじゃない。ベレス・ハモンド、カッティ・ランクス、トニー・レベル…、それぞれの理由は知らないけど、自分の場合はデイヴが離れてMad Houseで独立したこととか、まぁ、色々だね…、分かるだろ(笑)?
 
 Penthouseを離れて、「カヴァーも歌わない」と言ったら、周りからは「終わった」って言われりもしたよ。でも、自分は自分のやるべきことが分かっていた。自分のスタイルを貫いていることへの充実感はあったし、ヒットもあったし…、うん、90年代後半にはArtist's Onlyから何枚かのアルバムが出ている…、ただ、あれはデイヴが彼らと出したって感じで…。うん、デイヴとは関係はずっと変わらない。いつも一緒にいるわけではないけど、ずっと近い関係にいるよ。
 
 03年の「No Letting Go」の世界的なヒットで、初めて夢が実現した気持ちになれた。15年以上かかったよ。長かったね。自分の名前と曲が世界中に流れたり、世界中をツアーしたり、『Saturday Night Live』(アメリカの人気テレビ番組)に出演したり、全てのアーティストが望む夢を実現出来た。その経験は現在の活動にも活かされていると思う。
 
 また日本に来れたことを嬉しく思うよ。Penthouseの頃からずっと応援してもらえて感謝してる。日本でダンスホールが大きく成長しているのも嬉しいことだね。日本人アーティスト? 観た中ではパパ・Bだね。自分もサプライズって名前でDJもするけど、ああいうDJスタイルが好きなんだ。ジャマイカン? 現在だったら、間違い無くビジー・シグナル。彼が最高だ。あとはアサシンだね。
 
 長く一線で活躍出来る理由? うーん、歌の練習は毎日してる。あと、何よりも自分を信じること。最初からずっと自分の才能を信じてきた。いや、強いとかじゃなくて、それ以上に大切なものなんて無いんだよ。
[取材協力:NESTA JAPAN]

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