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309    ARTISTS    RUEED

RUEED
 
Interview by Noriko Okabe / Photo by Tsuyoshi Otsuru
 

確かな実力/才能をもってして、その名をシーンに浸透させてきたRueedが初のアルバムをリリース。プロデューサー正村和也(Alps Band)を始め、本文記載以外にもKang Dong、Hase-T、i-Watchなど錚々たるトラックメーカーが集結。シーンの期待を一手に背負う若きDeeJayの“今”が詰まった重要作だ。
 
 「中学2年生のときにスクラッチの映像を見て、その後のキングギドラのライブを目の当たりにしてからタンテを手に入れたんです。当初はスクラッチがやりたくて2枚使いの練習ばかりしてましたね。それから徐々に7インチも買うようになっていくんですけど、なぜかレゲエをかけてるときがすごく楽しく感じて。直感的なものですかね。で、いつのまにかレゲエどっぷりに(笑)。ほぼ同時期にセレクターもMCもDeeJayも始めたっていう感じですね」
 
 ここまでは、すべてRueedが中学生もしくは高校生になったばかりの頃の話。現在20歳というから、キャリア・スタートが中学生でも自然といえば自然だが、どこにでもこういう中学生がいるものではないだろう。実際、シーンの諸先輩方には「そんなに早くから人生狂わされちゃって大丈夫?(笑)」と言われていたらしいし……。高校進学後は地元・横須賀や、横浜などで連夜ラバダブに参入していたと言うが、そうした“歌える現場”がすでに用意されていたことは、Rueedのような若手世代の特権とも言えるだろう。
 
 「すごく幸せだし、恵まれていると思います。だから今回のアルバムでは、そういう基盤を作ってきた先輩方への感謝を表現したかったんですよね。それでいて若手も育ってるってことは示したかった。タイトルの“New Foundation”はファウンデーションにリスペクトしつつ、自分が新たな基盤になるっていう意思表示。俺にとって“New Generation”って言葉は、ただ若いって言われてるのと同じ響きがあるんですよ。でも大事なのは一人一人のオリジナル。だから若いだけじゃないってことを見せたくて」
 
 そうした温故知新というべき“New Foundation”を打ち出すのは簡単なことではないはずだが、彼は絶妙なバランス感覚をもって、それを可能にしている。「Woman Deh Yah」をベースにしたというKon“MPC”Ken制作のリディムに載せ、Super Cat「Sweet For My Sweet」のフロウをかます「ラガマフィン・ソング」を筆頭に、本作中ところどころで登場するファウンデーションな歌い回しは、80年代後半〜90年代初頭ダンスホールの愛好家をニンマリさせるだろうし、一方で「ジャマイカでボスしたい」という目的からパトワ語に挑戦したTC Movement制作のハードコアなダンスホール「Wicked Japanese」などは、現行ダンスホールに敏感なリスナーのツボを刺激する要素も持ち備えているはずだ。若さ全開の1人よがりなエネルギーに閉口させられることもないし、焼き増し的風潮からくる既聞感に飽き飽きすることもない。リリックのトピックも幅広く、しっかりと練り上げられている。未来を担う若手アーティストから、このような芯のある作品が誕生したことはシーンのキープを願ういちレゲエ・ファンとして素直に嬉しい。
 
 「お金しか考えてない大人に勧められて歌わされてるような曲は絶対書きたくないし、お客さんのことは考えるけど、媚びたくはない。今はもう悪い例がいっぱいあるじゃないですか。だから俺らの世代は、そういう失敗を絶対しちゃいけない。昔からサポートしてくれてる人たちをうなずかせて、お客さんをうなずかせて常に芯がぶれないDeeJayでいたいですね」
 Rueed=New Foundation! その文字に偽りなしだ。
 

"New Foundation"
Rueed
[P-Vine / BSCL-30047]

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