なんと、ビッグ・パンが急死。今年も大きく躍進する予定だったブロンクス・オウン、テラースクワッドには大打撃だが、死因は太り過ぎによる心臓障害だったそうだ。なんとも現代のゲットーを象徴した原因だが、誰もダイエットを勧めなかったのだろうか。
 ゲットーといったのは、80年代までラッパーでみると、皆痩せていたが、今はいきなり太っている。勿論、肥満は富の象徴と、アドミラル・ベイリーも言っていたが、これは関係なく食物が変ったからであろう。特にアメリカの薬漬けの肉食は、肉を柔らかくしたり、膨らませるホルモンなんかが注射されている。それが人体に影響があって当たり前で、体がでかくなるのも当然。たしかに、見た目は好景気で、ゲットーでもさすがに飢餓状態は見られなくなったのだろうが、こんな安く簡単に出来る肉を食っていて安全かといえば、疑問である。それでNYのグルメ・デリでは神戸牛なんかが持て囃されていて、金持ちには結局関係ない問題であるらしい?

●今月のオークション
 実際は今月ではないが、ゴーンジーズというオークション屋が、グラフィティにも参入、5月にグラフの誕生の場でもあるNYで、一般にも開かれたオークションが行われる。インターネットでもライヴ参加可能なので、興味のある人はそっちも調べるべし。出展内容はオールド・スクールのフェイズ2、ケース2、既に他界したベア、フューチュラ、ラメルジーの作品。それもギャラリーに参入した初期のキャンバスなども含まれるらしい(カタログが、3月に出る)ニュースクール勢は、リース、ノア、そして我らがスタック選手が契約済み。NYでキングと自負する彼等の真価ではないが、具体的なダラー・サインが表示される?

●今月のジャム
 最近は使える名前が少なくて、目茶苦茶なタイトルが増えたグラフ関係の雑誌だが、またまた新手が登場。既に本国では3号を発売した『While You Are Sleepin(君らが寝てる間に…)』という、グラフを取り巻くカルチャーを主軸とした新しいタイプの雑誌が、マンハッタンはクーラーズで、2月11日パーティを行った。ライター勢ではイズ・ザ・ウィズ、エスポなどが顔を見せ、リリシスト・ラウンジ一派も登場。一般ヒップホップ誌ではカヴァーされない、NYでのグラフの現状をリポートしたいという制作側のメッセージもあり、真面目な一面もある。というのは、雑誌を見た限りでは、ピンナップがあったりして、かなり娯楽を追求している内容となっている?

●今月のピース(グラフの作品)
 不動産上、ブルックリンで最も熱いウィリアムズ・パーク地区には、同名の橋があるが、そこ周辺が最近ちょっとしたグラフィティのスポットとなっている。古くは、PNBのオリジナル・メンバー、ブラストのアトリエやフューチュラのスタジオも現在も存在するエリアだが、橋のブルックリン側の一角は、まるでNY入りする僕等を歓迎するかの様にピースが溢れている。中でも橋の入口にはスタック氏のかなり大きいピースがある。これは、日本からの観光シーズンに合わせたモノらしい?(本人談)

●今月のヴィジター(Visiter:訪問者)
 ヒップホップ的には、西のユタカと80年代後半から本国アメリカでも話題になっていたDJユタカが久々にNYに登場。既にドロップされたユナイテッド・ネイションのリミックスの為とのことだったが、寒波が押し寄せているNYでも元気に闊歩していた。彼のアルバムのアメリカ勢のサンプラーもNYで配られ、各ミックス・ショーのDJ達を驚愕させているらしい。よろしかったら第2次パール・ハーバーと名付けて?