●キングストンでもFMステーションが増えたよね？　よかったら、オススメの局を教えて。
OB：もちろん自分のFM局、RJRだよ。ジャマイカで一番古いし、番組のクオリティーも高いよ。

●今や日本でもIRIE-FMをインターネットでリアルタイムにチェックできるけど、時差が14時間あって調子狂っちゃう。では、このCDは何時に聴くのがベスト？
OB：やはり、夜、できれば深夜がベストかな。　

●同じく、パソコンの前よりも、オススメのロケーションは？　ついでにOBオススメのこのCDにピッタリの青春キングストン・デート・スポットは？　OBの経験話も聴きたいなぁ。
OB：ドライヴの時に聴くのが最高のシチュエーションだよ。このCDはラジオがそのまんま入っている感覚だから、例え寒い所で聴こうが、そこはジャマイカだ。ヴァーチャル・トリップさ。個人的にお気にいりのキングストンのデート・スポットは映画館だな。映画館とクラブは近くにあって、映画を観たあとクラブにも行けるし、最高だね。

●本作をレコーディングした時に特に留意した点は？
OB：とにかく、僕の番組「サウンド・トゥ・サウンド」と同じノリになるようにテンションを高めていったよ。ナレーションを含めて音楽になるようにね。

●『Reggae FM Vol.7』の収録曲でオススメは？
OB：全部だな（笑）！　選べと言われても困るよ。新旧バランスよく選曲されていると思うよ。特にカールトン＆ザ・シューズの「Give Me Little More」とマイティ・ダイモンズのU-Royとの再録「I Need A Roof」は名曲だよね。あと、E.T.ウェブスターの「Sometime When We Touch」は稀に見る美しいバラードだな。

●ジャマイカには、他の国や島から移り住んでる人々がいるよね？　当然、レゲエにも影響があったはずだよね。中国やインドや他のローカルな音楽がラジオから流れたりするのかな？
OB：僕のラジオ局では週に1回だけインド音楽を流す番組があるけど、それ以外に、例えば中国のポップスが流れたりすることはないな。移民の数を考えればもっとそのような番組があってもいいはずだけどね。

●最近は放送禁止語チェックが厳しそうですね。45シングルにもRadio-Editが入ってるぐらいだし。汚い言葉狩りにとどまらず、政治や社会批判の封じ込めになる恐れはないかな？
OB：僕自身、番組では自由に喋っているし、政治批判や社会批判の封じ込めはないね。ただ、僕は汚い言葉を多用した曲は好きじゃないよ。

●日本では「素人のど自慢」コンテストが毎週日曜の昼、テレビとラジオで全国ネットされてる。ジャマイカはどう？　あったら日本人も参加できる？
OB：「タレント・サーチ」という番組がラジオとテレビで盛んに行なわれているよ。たまにその番組からシンガーがデビューすることもある。もちろん日本人も参加できると思うよ。ジャマイカ人はありとあらゆるものを受けとめる懐の深さが自慢さ！

●このCDにも入っている日本人アーティスト、イケテルよね？　正味な話、ジャマイカでもヒットさせるなら、更に必要なのは何だろう？
OB：ミュート・ビートは本当に凄いと思う。このCDに入っているのが、あのローランド・アルフォンソとの共演だから、お宝トラックだよ。解散してしまって残念だ。デタミネーションズはこれからが楽しみだね。彼らのサウンドは独特の空気感というかフィールというか正に“オーセンティック・スカ”だよ。日本人アーティストでヒットさせるにはやはり、英語で歌うことが必要だね。僕はプシンが大好きだし、番組で彼女の曲もかけてる。あと、ナーキは結構有名だよ。
●今年の「レゲエ・サンフェス」にムーミン、プシン、ホーム・グロウンの出演が決定しました！
OB：それは素晴らしい！ さっきも言ったけど、ジャマイカ人は音楽に対してあらゆるものを受けとめる懐を持っているので、彼らは大歓迎されるだろう。レゲエという共通言語が我々を堅く結んでくれるはずだ。

●最後にレゲエと他の音楽との決定的な違いは？
OB：ヘヴィーなベース・ラインとドラムスが何よりのレゲエの特徴だよ。ロック、R&B、ジャズ等、他のジャンルの音楽には、これほどベースとドラムスが強調され前面に押し出されている音楽はないからね。