写真左よりMicky Rich, Tanco (Home Grown), 高宮紀徹 (Reggae Disco Rockers),
和田アキ子, 高宮永徹 (Little Big Bee), 山口 "Gucci" 佳宏 (Rackstone)


芸能界のご意見番というより、日本が誇るリズム&ブルース・シンガーといいたい和田アキ子の楽曲をレゲエ・ミックスした『Ragga Akiko』がリリース。本作に参加したTancoHome Grown)、高宮紀徹(Reggae Disco Rockers)、高宮永徹、Micky Rich、そして企画者・山口 "Gucci" 佳宏がそろってアッコ詣を敢行した!

和田:これを最初に聴いて、ヘンな言い方だけど、若い人が私を遊んでくれるっていうか、それがすごく面白くて嬉しかったですね。私はレゲエはボブ・マーリィぐらいで全然知らないけど、こういうふうに(自分の歌が)甦るとは思わなかった。

Tanco:僕たちは「古い日記」をやったんですけど、マルチテープを聴いてビックリしました。とにかく歌が上手いんですよ!

和田:そう言ってもらえると、ホント嬉しい。歌うときだけはアガるんですけど、自信になります(笑)。昔から(ヴォーカル録りは)大体2回ぐらいしかやらないんだけど、「古い日記」でいうとスティーヴィ・ワンダーが何かの曲で「ハッ!」って言ってたのよ。ウィルソン・ピケットも「ハッ!」って言ってて、コレ流行ってんのかな?って、パクッたんです(笑)。

一同:(爆笑)

宮内:黒人シンガー独特のグルーヴのとり方をごく自然に取り入れてたんですね。

和田:そうそう。で、当時は女性で、私みたいなハスキーじゃないロー・ヴォイスっていなかったじゃないですか? 黒人の音楽を聴いても、アレサ・フランクリンとかディオンヌ・ワーイックは声が高くてダメだった。渋いところでいうと、ルー・ロウズとか……。

一同:おおっ!
和田:あと、サラ・ヴォーンとかニーナ・シモンとか好きやったから。英語はわからんけど、耳から覚えるしかないから。だからウソばっかり歌ってましたわ(笑)。

永徹:僕はCKB-Annexで「タイガー&ドラゴン」をやったんですけど、剣さん自身が、あの曲自体をもともと和田さんをイメージして作られたそうですからね。

宮内:その曲を和田さんがカヴァーして、さらにCKB-Annexがリミックスしたという。

永徹:「タイガー&ドラゴン」自体がすごく完成された曲なんで、どこまで破壊するか?っていうのにチャレンジしようってことで、レゲトンにしてみました。

和田:レゲトン?……って何ですか? 知らんことばっかりなんですわ(笑)。

永徹:スパニッシュがやってるレゲエですね。プエルトリカンなんかの血が混ざって、また新しい解釈がされてるんです。

和田:これに入ってるのがそれなんですか? 帰ってからもう一回聴きますわ(笑)。

紀徹:僕らは「あの鐘を鳴らすのはあなた」を取り上げたんですけど、結構、すでにいろんなヴァージョンがあって。すでにスカでカヴァーしてるのもあったから、じゃぁ、ちょっとルーツっぽいレゲエでやってみようかなって。地方にDJ行ったとき必ずかけてるんですけど、どこ行ってもドッカンドッカン盛り上がってますね。

Micky Rich:俺はHase-Tと一緒に「風の見える町」をやりました。歌詞をずっと聴いてたら、辛いことがあったんだけど、戻ってきたんだなっていう風に勝手に想像して。疲れたなら懐かしい街に帰って来いよっていう、男と女のやりとりを気にしながらリリックを作りました。

和田:「生きてるだけで幸せじゃない」っていうやさしい詞が、ラップとこんなに合うんだ?って。ラップ=不良ってイメージがあるから、新鮮な発見がありましたね。

宮内:和田さんのようにキャリアを重ねていっても、まだこんなに未知な領域があったのか!っていう。

和田:知らないこといっぱいありますよ。リズムがレゲエっていうのも自分が初めて接するものだったし、まず作詞・作曲の人がびっくりしてるんじゃないですかね(笑)。

Gucci:今度はぜひ新録もやりたいですね。

和田:やりたい! 自分の今の声でやりたいですわ。やっぱり生でやるのが一番楽しいですよね。まずは私が、もうちょっとこれ聴いてレゲエを勉強しないと(笑)。



"Ragga Akiko"
和田アキ子
[Teichiku / TECE-20627]