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 「全米で一番安全な都市」とすら、今年の始めに言われていたNYだが、実際は、犯罪の件数も前年と比べて増えている。そんな最中、11/25にクイーンズで警察の行き過ぎな発砲事件が起きた。
 カルーアというストリップ・クラブで、結婚式を控えたショーン・ベルという青年が50発にも及ぶ警察官の弾丸に倒れた。警察の言い分は、問題の多いこのクラブを監視していた平服の警官が、ベルに職務質問をしようとしたら、ベルが逃走を試みたので、発砲したという。この警察官は当初、ベルと車に同乗していた2人が銃を持っていたと証言していたが、実際に拳銃は発見されなかった。また、ベルがどう怪しかったかという理由なども一切説明されていない。似たような事件が、5年程前にシンシナティであったが、改めて警察の体質と、人種問題が浮き彫りとされた。これに対して、多くの青年グループや、NY議会のメンバーで、元ブラック・パンサー党員だったチャールズ・バロンなどが、12/6にデモをオーガナイズ、一般へのサポートを呼びかけ、ブラック・コミュニティからの抗議しているという姿勢を強調した?

今月の誕生日
 11/22に、レッド・アラートの誕生日が、チャイナタウンのカナル・ルームで祝われた。Dナイスと、QティップがDJを務め、スリック・リックと、ナイス&スムースのパフォーマンスも行われた。当年50歳というヒップホップの先駆者が現役でいるのは心強く、層の厚さを現在も誇っているのではないだろうか?

今月のヴェンチャー
 もう何をしても不思議ではなく、驚かないラッセル・シモンズが、ジュエリー・ビジネスを始める。しかしながら、ダイヤなどのイメージは、世界でも最大の採掘量を誇るアフリカで、その労働者たちへの不当な扱いや、不法にダイヤが持ち出されているという事で、非常に悪い。ラッセルのコメントは、そういった問題を解決しつつ、ビジネスを拡張し、アフリカ自体にも公平な利益をあげさせる構造を作るという。
 実際にアフリカの国々の殆どが、これだけの資源や鉱物を産出しているのにもかかわらず、貧困から抜け出せない、前時代的な搾取の構造に陥っている。商売上のリップ・サーヴィスに終らず、真剣に取り組む事を望む?

今月の訴訟
 サイプレス・ヒルが、南部のプロモーターから訴えられている。2004年の彼らをヘッドライナーとしたツアーが、ハリケーンによってキャンセルとなり、前金を返さないというグループに、返還を求める内容らしい。こんな所にもハリケーンの被害が残っている?

今月のビーフ
 こんどは、白人アコースティック・グループが、50セントへロー・ブローをかましている。ナイス・ピーターというコメディアンでもあるシンガーとドラマーによるデュオが、「50 Cent Is Pussy」という曲をグループのアルバムに収録している。本人たちのインタヴューでは、「別に50に個人的な恨みもないが、50のポップ・シーンに於いてはらんでいる矛盾が、突つくのに面白いと思ったから」と言っている。これに関して、50側からのアクションはまだないが、興味深いのは、50のデビューと同じ手法であるということ。実際、50も有名ラッパーたちをこき下ろした(?)「How To Rob」でデビューしている。ナイス・ピーターの他の曲のタイトルとしては、「The Bush Song」、大手楽器店チェーンを揶揄する「Fuck Guitar Center」、「Tru Gangster」などがある。もうどうでもいい?





沼田 充司
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DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 (Photo by Tiger)